いまは幻……
と続くのはかぐや姫の物語。
数々の異性から求婚され続けたかぐや姫のように
多くの呑み助が恋い焦がれるお酒がここにある。
秋田の沼館酒造の子。
以前も会ってお別れというブログ頁で紹介した。
2008年。今から2年前に廃業してしまった蔵。
なんといっても残念である。復活して欲しいと切に願うものの
その気配は見えてこない。
さてそのかぐや姫こと「たてのい」を友人がGET!したと連絡があり、
とある場所で開栓した。
「た・て・の・い」と平仮名でかかれたラベル。かわいい。
火入れの子なので、常温でまずは1杯。
酒こまち40%の純米大吟醸は雑誌『ダンチュウ』で紹介され
地域のお酒であった「たてのい」を全国の日本酒好きが知った。
沼館酒造。この蔵は長く桶売りだったようだ。
でも雑誌への紹介で全国から注目をあび、蔵に直接注文、「おいしい」という声が届き
杜氏を筆頭に蔵人の方々は「造りはおもしろい」と思うようになったそうだ。
それから数年。全国のファンに応援されつつ、がんばって造ってきた「たてのい」。
このときの杜氏は「高階長一郎」氏。秋田の名杜氏のひとり。
どこかで「たてのい」のようなよき酒を醸しているのだろうか。
大吟醸ならではの香りのよさ。華やかな香りにすくっとたつ味。
ぬる燗だとどうなるだろうかと試してみると、ビンゴ!
たっていた味の柱がゆらゆらゆらいでくれる。
味のウェーブが口から体中に広がる。
やはりうまい。
かえすがえすも……惜しい味。
いまは幻……。
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