ゴン麹 酔いどれ散歩千鳥足 <野望と無謀>

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カテゴリ:日本:日本酒( 123 )

高級なるものとして世界に羽ばたく!ドリームちゅんちゅん♩

日本酒、焼酎などいつも思うのは
価格が安いということである。
呑み助にとって安いのは、大変ありがたいことだが、
造りはもちろん、材料などの調達、機器や道具のメンテ、そして生み出すための費やす時間などを考えると
どう考えても安すぎる。

お手頃な価格のものもあってしかるべきながら、
きちんとお酒そのものの価値を反映させた値段にすべきだと
呑み助たちは思っているだろう。(とはいえ、呑みたいから高すぎると手が出ないのだが)。

さて、そんなことを思っていると
酒友が「こんなお酒がありますよ」と飲ませてくれたのがある。
750mlで88,000円(税別)。その名は『夢雀』。
むじゃくと読むこの子は山口県、岩国の堀江酒場で生まれた。
イセヒカリ*小目の米を18%まで磨いた生酛造りの純米大吟醸。
この子が生まれたきっかけは山口県のとある女性創業支援事業だったそうだ。

アルコール度数は16度。
フルーティーさを持ちつつも、常温に置いて温度が上がるたびに、芳醇な味わいが増して、口の中で羽ばたくようで、
感動が何度も覚える。


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一見、日本酒だと知らされず、ワイングラスで出されたら、
「飲みやすく大好きな白ワインタイプ」と勘違いしそうなほどの果実感は
イセヒカリというお米の未知なる世界を知らしめてくれた。

限定1000本という中の1本に巡り合えたこの奇跡。
フランスや香港、アラブ首長国連邦のドバイでも取り扱っているそうで、
世界に羽ばたく日本酒といえよう。
ちなみにドバイではさらなる高額価格で取引されているようである。
彼の国では絶対飲めない(汗)。

とにかく日本の酒は価格が安い。
安くつけるのが慎ましい、謙虚であるという観念があるからかもしれないが、
外国だとこうはならない。
安い=その安さに値するものという考えが主流だろう。
島国ならではの感覚はまさにガラパゴスにて。
外国に出て行くならば、それなりの外国仕様にすべきなのである。

国内でも蔵元の試飲即売会などを手伝いとき、
2つの傾向を必ず目にする。
呑み助などが多く訪れる酒コーナーでは
味も香りも好みのものをしっかりと吟味し、試飲してピンときたものを購入する。
その時、決して値の張るものに手を出す人は少ない。

それとは反対に
IやM、TやMなどの高級志向のデパートの酒コーナーでは
「一番高いものはどれ?」「それは幾らくらいのもの?」とたずねられることが多い。
もちろん、贈答用のものを求めるための質問なのだが、
美味しいからと押したい銘柄も、そのお客さんが納得する価格よりも低くて、
「それじゃ、ダメなの。1万以上はしないと」「2万以上」という答えが返ってくる。
まさに需要と供給がここにない。
もちろん、その価格がついている銘酒も多い。
それを教えると、嬉しそうに購入していかれる。
その時思う。
どの酒も各蔵元がこだわって、心血注いで造り出した子であるのだから、
そのこだわりに匹敵する価格で売り出してもいいのではないかと。

だからと言って高値をすぐにつけよう!というのはどうかとも思うが、
この『夢雀』のように
はじめから購入層を決め、造った後の流れもきちんと計画立て、高級酒を生み出したことは
これからの世界に羽ばたく日本酒のあり方ではないだろうか。

1本88,000円。
確かにおいそれとは手が出ない子である。
が、間違いなく、こういう世界は日本の酒にあるべきであり、日本の誇りであろう。
ちなみに酒友は夢雀を「ドリームちゅんちゅん」と名付けていた。まさにドリーム!(笑)。

百花繚乱の日本のお酒。
日本酒に焼酎とこうもまあ、タイプの違うお酒がランデブーする国は島国日本ならではの文化。
この国に生まれて本当に良かったと思う日々である。



*イセヒカリとは1989年、伊勢神宮の神田にて、大型台風が通過した後、2株。倒れず残っていたコシヒカリの突然変異種である。


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夢雀 Facebook
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by gon1442 | 2017-05-08 11:54 | 日本:日本酒 | Comments(0)

HEI! 雄町!


「オマチニスト」という言葉があるくらい
酒米である雄町のファンは多い。
かくゆう自分も雄町の世界、大好きである。
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雄町といえば、岡山を代表する酒米である。
雄町の歴史は江戸時代末期。
安政6年、備前の国、今の岡山県の篤農家、岸本甚造が伯耆大山参拝の帰り道、
田のなかにひときわ目立つ背の高い稲穂に目が止まったことからはじまる。
彼はこんな大きな稲穂は力強い米ができるに違いない!と感じたのだろうか。
2稲を譲ってもらい、自分の家に持ち帰り育成したといわれている。

稈で大粒、晩生タイプ。丸い球状の心白があるのが特徴の雄町。
米の硬さも軟らかく溶けやすいとあって酒米に最高の米とされた。
その品質の優良性から、現在全国で使用されているほとんどの酒造好適米のルーツといわれ、
発見から現在にいたるまでただ1種の混血のない米というのは珍しいとされている。

雄町がもっとも優遇され全国の酒蔵で使われていたのは明治時代。
全国清酒鑑評会では雄町でなければ金賞が取れないといわれていたほどだ。

優秀であるがゆえに全国で作付けされたものの、稈は弱点に。
大きくなるものは160cm前後まで伸びることで、強風などの影響をうけ倒れやすくなり、
また病気にもかかりやすいということが判明。
いくら優秀米であっても、手がかかり、収穫が難しいということで、
雄町を育てる人が減っていき、岡山以外では数えるほどとなり、幻の米になる寸前でもあったという。
その原因のひとつは今、酒米として優等生である山田錦、そして五百万石の出現。
両者とも実は雄町の子孫であり、雄町のいいところを受け継いでおり、
さらに農家にとっても栽培しやすく収穫量が安定しているとあって人気となったためだ。


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どんどん消えていく雄町。
昭和40年代には絶滅危惧とまでいわれていたが、岡山の酒蔵を中心にした有志が雄町栽培を復活させ、
雄町を使った日本酒を醸しはじめたことで、雄町のおいしさ、よさに再び注目が集まり、
雄町は日本酒になくてはならない存在となったわけである。

雄町。
確かに飯米であるササニシキやコシヒカリ、酒米の亀の尾や山田錦と比べて、背が高い。
江戸時代、黒船来航に驚いた背の低い日本人と来国した背の高いペリー総督のような感じというイメージ。
そしてなにより近づいてみると、長い長い白い髭をもっているのに驚く。
飯米にはほとんど見られないので、酒米と知らない人からみたら、
な!なんだ!?これは?と思うはずだ。
この長い髭は原種にみられるもので、
稲は本来、野生のものにて、他の自然の木々や草と同じく
秋になれば実った種子を地面に落とし、子孫を増やそうとする。
そのとき、土のなかに埋まってしまったり、水のなかに落ちてしまうとその種からの発芽は難しく、子孫繁栄ができない。
そうならないための稲の考えた策が髭なのである。
この髭があることで、土のなかに埋まりすぎず、水の中に沈みにくくなり、
地面からほどよい距離をもって接地し、次の季節に向けて発芽への準備をする!というわけだ。
この髭は米の良し悪しには関係ないが、収穫や脱穀のときにこの髭があると作業がしにくいとあって
私達がよく目にする米、特に飯米にはこの髭は生えてこない。
そのため田んぼで髭が生えていれば原種に近い品種だということを見分けることができる。

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とにかく大きな背丈と立派な髭が特徴の雄町。
小さい子供はすっぽりと隠れるほどの大きさは
ある意味、絶好の遊び場(絶対ダメだけど)。

やはり飲むだけではなく、実際に使われる酒米の田んぼを見たら
雄町のおもしろさがより一層楽しめそうだ。

今年の造りで出会える雄町はどんな子だろう。
ワクワク感がとまらない。



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by gon1442 | 2016-09-14 10:43 | 日本:日本酒 | Comments(0)

亀の尾に出会って。

亀の尾。
酒好きならピンとくるだろう。

亀の尾とはお米の品種の名前で、有名になったのは尾瀬あきらさんの『夏子の酒』のなかでモデルになった米である。
亀の尾の発祥については生まれた諸説あるが、
有名なのは亀の尾は明治26年、山形県の民間育種家である阿部亀治翁が立川町立谷で発見し、
自分の田で育種しはじめ、世の中に広まったといわれている米なのだ。
食米にも酒米、寿司米としても重宝され、「不世出の名品種」といわれていた。
戦前は東北から中部地方で栽培されていたが、
病害や虫に弱いということから栽培しても収穫率があがらないということからいつのまにか姿を消し、
幻の米といわれるようになる。


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幻の米といわれつつも、実はササニシキやコシヒカリといったおいしいお米の祖先であり、
私達が今、普通に食べているご飯の大元というべき大事な存在なのである。

そんな幻というべき亀の尾が再び注目されるようになったのは、
「昔のお酒はおいしかった(亀の尾)」という話を新潟県の久須美酒造の蔵元が聞き、
1980年に新潟の農業試験所に記録米として残っていた1500粒の種籾を譲りうけ、
2年間かけて種籾を増やし、1983年、醸造に足る収穫となったので、
その年の造りで亀の尾を原料につかった吟醸酒『亀の翁(かめのお)』をつくったことにはじまる。
この出来事がはじめにいった『夏子の酒』のモデルになったといわれている。
おもしろいもので、同じことを考える人は必ず同時期に現れるようで、久須美酒造が亀の尾の復活を考えていたとき
山形県の鯉川酒造でも明治時代に地元で育てられていた亀の尾の復活と日本酒の醸造を考えていたそうだ。
鯉川酒造では亀の尾を見つけた阿部亀治翁の曽孫の手元に奇跡的に残っていたわずかな亀の尾の種籾を譲りうけ、試験栽培し亀の尾だけで醪1本分の酒を造るべく、ひたすら種籾を増やし、念願の亀の尾で酒が醸せるようになったのは久須美酒造の『亀の翁』が世にでたわずか1年後だった。

復活したばかりの亀の尾はやや小粒だったそうだ。
醸した味は爽やかさが少なく、ふくらみの幅が狭く、荒々しい野生米に近かったときいている。
しかし、そこが亀の尾らしい独特の魅力があることに気づいた各酒蔵が、いかにすればおいしい味わいになるかを研究し
21世紀にはいると酒米の優等生『山田錦』と比較しても決して劣らない!性格をもつ米に育てあげたのである。

かくゆう自分も亀の尾の名を知ったのは漫画である。
子供時代、父親が所有していた難しそうな酒本のなかに漫画があることに気づき、
なんだ?これは?と読み始めたのがはじまりである。
漫画のストーリーのなかでは亀の尾は龍錦という名前だったが、古いものの復活というのは
幼心にもワクワクさせてくれたものだった。
日本酒を飲みだし、亀の尾で醸された酒に出会ったとき、
あ、これなのか!とまじまじと見、
山田錦とは異なる深みある余韻と香ばしさがある、これが亀の尾なのか……と味わったことも
記憶のひとつにしっかりと残っている。(同じお米でも酒蔵によって味わいが異なるのでどうぞご容赦ください)

その後、亀の尾は当たり前のように目にするようになっていったが、
実は実際に田んぼで育ったところを今まで見たことがなかった。

そんなとき、仕事の関係でとあるお蔵さんに御邪魔したとき、
亀の尾の収穫は来週だということをお聞きし、田んぼに連れていってもらった。
ダイナミックな稲だなあという第一印象に
手前の山田錦と比較すると明らかにタイプが違うというのがよくわかる。
小粒といわれていたので、ものすごく小さいのかと思いきや、そこまで小さいと思えず
稲穂の先に実る籾もかなりのすずなりにて、重そうだった。

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これが各米の祖先、亀の尾なのかと思ったとき
目の前の田んぼの風景に先人達がこの稲を大事に育み収穫しているような光景がだぶる。
ササニシキやコシヒカリ、そして日本酒を飲んで大きくなった自分の体の細胞のなかにある亀の尾のDNAがなせた業か!?
初めてみる田んぼにニコニコと微笑んでいた。

亀の尾は日本酒にとってなくてはならない米であると同時に
食べる米としてコシヒカリやササニシキ、ひとめぼれなど数多くの米に亀の尾のDNAがはいっているのだと思うと感無量である。

飯米でおいしい米、酒米として最高の米といわれる極めた米は多い。
しかし亀の尾のように両方の性格をもっているタイプはほぼない。

もっている性質によって細分化され、用途にあった使われ方をすることも大事であるが、
おおらかに両方ウエルカム♪というタイプ(一石二鳥!?)のほうが自分は好きなだあと思うのは
ずっこい(ずるい)?(大笑)

亀の尾。
これから亀の尾で醸された子を飲むときは
間違いなく稲穂を重そうにしている田んぼの光景が浮かんでくるのだろう。




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by gon1442 | 2016-09-13 09:56 | 日本:日本酒 | Comments(0)

申年のはじまりは猿酒で〜♩

元日の夜。
香川県の本島の車海老を酒蒸し(金陵)にしたので
年酒、申のお酒『山猿』大吟醸で一献タイム。
はじまりはじまり。

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山口県の永山合名酒造会社さんの子で
酒米には山口県産山田錦を使用。
ほのかに香る吟醸香はグラスに注いだお酒の表面から
仄かに立ち昇り、ついクンクンと鼻を鳴らしてしまう。
口に含めば、コクの豊かな旨さが広がり、余韻をしばし感じさせる。

キレがいいのが、この子の美味しさの魅力。
まろやかく滑らかかつ上品な優しい甘みは
ついつい杯が進んでしまう。

酒蒸しにした車海老との相性もよし。
瀬戸内海挟んだ県ものだからか(^-^)。
パリパリと殻を齧って飲めば
海老の香ばしさがさらに伸びるようで
いつの間にかグラスは空に。

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気が早いのか、来年の年酒の子も隣にd(^_^o)
香川の川鶴酒造さんの『讃岐くらうでぃ』。
こちらはカルピスのような甘酸っぱく
女性好みの讃岐っコ。

アルコールといわれなければ
あっという間に空ビンになりそうな気配。

2016年の飲み始め。
今年も酔いコに出会えますようにと
願って乾杯。


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by gon1442 | 2016-01-01 22:43 | 日本:日本酒 | Comments(0)

飲めてよかった〜子(^○^)

而今の愛山。
ネット上や友人のあちらこちらから、飲んだ! というツイをみる度に、
飲みたーいとウズウズしていた。そんな思いは必ず叶うのが酒呑みの宿命(^○^)。

今月頭、ゴン麹を待っててくれた愛山ちゃん!

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鼻を近づけると立ち昇る香りがはふっくらとした優しい風のよう。
 ひと口目はその風に旨味の旗が長くはためきだす。
そしてつややかに滑らかに喉奥へと走りだすという名ドライバー。
口のなかでいっとき含んだままにすると、酒、一滴一滴から愛山の粒が膨らみだしては、さらさらさらっと四方八方に広がっていく。
旨味と甘みのハーモニーは上下と波のように押しては返し、いつまでも様々な表情をみせてくれる。
含み香も芳い。
酸味は少量であるものの余韻として、口の中にスッキリ感を与えて、引き締めてくれた。

う〜ん。(⌒▽⌒)
さすが而今。
さすが愛山。

これは飲めるご縁があってうれしかった子である。


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by gon1442 | 2013-11-22 10:07 | 日本:日本酒 | Comments(0)

空の上で再会。 小布施での思い出

会いたいと願えば会える。
今まで、この人にいつか会いたい、話がしたいと思っていると
ヒョンな出来事で会えるチャンスが訪れる。

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セーラー・マリー・カミングス。
彼女もそのひとりだ。
長野県の小布施にある桝一市村酒造場の取締役として、雑誌やテレビに取り上げられてきた。
彼女のことを知ったのはもう10年前。
ある雑誌で、金髪の女性が酒を造っているという見出しが目にとまったときである。

はじめは外国人が単なる好奇心で酒蔵にはいったんだろうという色眼鏡でみていた。
でも色々な記事を読んでいくうちに、そんな自分が恥ずかしくなり、
いつかお話を聞いてみたいとも思ったのである。
さて、そんな機会が突然やってきた。

昨年、某雑誌の地域活性化の特集で、
セーラーさんにインタビューをするチャンスがまわってきたのだ。
酒メインではなかったが
話をきいているうちに、桝一市村酒造場での酒造りも、
彼女が目指す世界に入っていることに気づいた。

「日本は世界でも稀にみる素敵な文化、習慣、そして自然が残っている場所。なのにその素敵なものに気づかず、いや、当たり前のようにおもって大事にしようという気持ちが低いですね。世界からみるとなんてもったいないことを思いますよ。だから私は日本の在るべき姿に戻しただけです」
そう話す彼女は小布施という町で様々な改革、いや新古復の変化をおこしていったのである。

まずは桝一市村酒造場にて。
彼女が蔵にきてまず驚いたというのが琺瑯やステンレスのタンクが並んでいたことだったそうだ。

「日本の話を聞いたり、本で読んだなかで、日本酒は木桶で造られている光景を目にしてきました。ひと昔まで日本酒は木桶で造られていたはず。でも今はほとんど琺瑯かステンレス。なんで木桶にしない?と質問しても誰もが?という顔をする。よくよく聞いてみたら、酒質の問題や造り手の手間がかかるから琺瑯かステンレスになったんだという。たしかに便利よくなり、酒質など安全性も高くなったと思うけど、これでは日本酒独特の文化、桶の文化が消滅してしまうんじゃないか。これはまずいと思ったから、周りに声をかけたのに、はじめは誰も相手にしてくれなかったですね。そんなことをして何になるんだと。木桶そのものがこの世から消えてしまう重大性に日本人、気づいていなかったんです」。

周りに相手にされないとき、日本人ならどうしただろうか。
いや、その前に恥ずかしくて周りに声を大にしていわないんじゃないだろうか。
相手にされないと、不安が強くなり、逃げてしまうんじゃないだろうか。
でもセーラーさんは違った。今、何か始めないといけないのだと思い、行動したのである。

桝一市村酒造場には大杜氏がいた。
彼は15歳の頃から酒造りをし、蔵にはいった最初の10年間は木桶を酒をつくっていたそうだ。
そのことを聞いたセーラーさんはこれは偶然ではなく、必然的な出会いだと考えた。
「木桶造りの記憶を持っている人がいる。これは奇跡にちかかった。偶然だったのかもしれないけど、まるで桶造りを残せというなにかの使命が動いているようにしか思えなかった。
この思いを実現させるためにはどうするべきか。
まずは桝一市村酒造場で木桶仕込みの酒を復活させることと共に、
日本全国の酒蔵に木桶仕込みの酒の復活を呼びかけたそうだ。
また、日本酒だけに限定せず、日本独特の食文化、味噌・醤油・漬物など醗酵文化を生かす活動へと展開させたのである。

ただ木桶を作る職人は年々少なくなり、もはや片手で数えるしかいないのも現実。
色々勉強し、調べれば調べるほど、職人を増やすことの難しさを知ったという。
「酒蔵のように木桶を注文したり、手入れをお願いする仕事先が増えると桶屋は生活できるけど、そのときの酒蔵は木桶はほとんど使っていないから、桶屋の仕事はほとんどない。酒蔵の木桶って酒蔵だけのものじゃないんですよ。使わなくなった桶は味噌や醤油の生産に再利用されていた。日本は昔からきちんとリサイクルできる文化があったんですよ」

大量生産大量消費という大波がきた日本。
そのときにさらわれてしまったかつての日本がもっていたリサイクルという概念を
セーラーさんは見つけ出したのだ。
「木桶を一から揃えよう、作ろうとするとものすごくお金がかかります。それに二の足を踏んだり、諦めてしまう人が多いけど、出費するお金の損失なんて一時のものなんですよ。私たち外国人が感じるすばらしい日本文化が消えてしまうほうが、大きな損失なんです。こんな素敵な習慣や文化を次世代に伝えないことのほうがよっぽど大損することですよ」

セーラーさんの熱意は桝一市村酒造場の蔵元、大杜氏を動かした。
昔、蔵でお世話になっていた桶屋で新しい木桶を五本つくり、木桶造りを復活。
すると、大阪の桶屋が彼女のもとを訪れるようになったという。
「日本酒には桶が極めて重要だったことや桶屋さんや桶職人の世界の深刻な状況が分かりましたの。だから桶仕込保存会を設立しました。だって保存しないと消えちゃうでしょう」。

桶仕込み保存会を設立。
微笑みながら話すセーラーさん。ついつい私達日本人なら、仲間を増やし周りに根回しをしながら、形を整え設立しようと動いてしまう。でも彼女は必要だ!と思ったと同時に行動しているのだ。
だから流れが早い早い。

木桶造りをしている酒蔵も今日、増えてきている。
そして木桶で醸す独特の味わい、香りを好む酒好きもどんどん増えてきた。
どこか懐かしい!と思うのは日本人のDNAに刻まれた記憶なのだろうか。
和食はもちろん、洋食や中華との相性もよく、そして料理に負けることはない。
もしかしたら彼女が桝一市村酒造場で木桶造りを復活させなくても、誰かが復活させていたのかもしれない。日本全国、どこかの蔵で木桶造りを続けていた蔵もあっただろう。
それでもセーラーさんがこれはなくしてはならないものだと本能で感じ、
周りを動かした結果、私達は忘れかけてきたかつての日本文化を思い出させてくれた。
彼女の行動は酒造りだけではない。
小布施を中心に様々な事業やイベントを手がけている。
その行動に反発する人もいるだろう。
地方にいけばいくほど、頑な場所も多い。
自分のことだけが大事で周りおかまいなしという日本人も増えている。
それでも彼女は「どうして?楽しいよ。面白いし、みんな元気になれるよ」と笑顔で話をするのだ。

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人懐っこいといえば人懐っこいのであろう。
そして押しが強いといえば押しが強いのであろう。
彼女と話をしているとき、いらだつ自分もいた。
それは自分でもわかっているところをつっつかれたときだった。
さもそれをわかっていると、虚栄を張っている自分が後ろめたくなりいらついていたのだ。

彼女はそれも見抜いていた。

「日本人は素敵な人達です。優しいと思います。でもプライドも高い。プライドも大事だけど、無駄なプライドをもっているだけ損ですよ。素敵な日本を未来に残せるのは日本人なのだから」。

青い目をした彼女がそういったとき、恥ずかしいという気持ちというよりは、パシャっと水をかけられた気分になっていた。
さも日本のことを知っているという頭でっかちの自分をかちわってもらえたのだ。

彼女と合ったのは昨年。
きっと今年も彼女は様々なことに目をむけ、小布施の地から色々発信しているのだろう。

「人は伸びるだけじゃだめ。カオスが必要。他人との交流、文化との交流、自然との交流、対流すべきものですよ」

彼女はそういってくれた。対流をすることで思いは形となるのだと。
長野県小布施町。日本人に日本を気づかせてくれるセーラー・マリー・カミングスさんは今日も笑顔で歩いているのだろうか。

東京への帰りの飛行機内の放送で彼女の姿をみたとき、
彼女との対談を思い出してしまった。

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追伸:小布施には彼女がプロデュースする飲食店もいくつかある。以前、蔵部にもお邪魔した。
by gon1442 | 2013-07-12 09:20 | 日本:日本酒 | Comments(3)

蔵元からの書中お見舞いー初のみきり解禁ー

連日連夜の猛暑の日本。
今年の夏は暑くなると春先に予言めいた友人がいたが、まさにそのとおりになっている。
最高気温39度超えという山梨県。
暑さを考えただけで頭がクラクラしそうだ。
太陽の陽射しのきつさに日中、歩く人も少なくなった外の様子。
みんな本能で察知しているのだろう。今、出歩くのは自◯行為だと。

それでも外出しなくてはいけない場合もある。
そういう自分にはやはりご褒美を与えねば!
ということで、今回、自分へのご褒美は「初のみ切り」飲み比べ。

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“初のみ切り”とは蔵で貯蔵していた酒の検査のことをいう言葉である。
冬に造った酒を貯蔵して半年後、貯蔵しているタンクの酒をテイスティングし、
きちんと熟成しているのか、色や香り、そして味などを見る品質検査は酒を造る杜氏はもちろん、酒蔵全体の今後をうらなうものでもあり、気が抜けない大事な行事のひとつなのだ。

ティスティングのとき、酒を抜き出すのが貯蔵タンクの出口である呑み口を切ること行為から
これを呑み切りといい、今年初めての呑み切りを「初呑み切り」という。
時期的には5月末から6月という初夏に各蔵元で行われ、
このときの評価によって出荷する酒や次の造りの方針を決めたりと
各酒蔵の酒に大きな影響を与えるものなのである。

本来、こういう行事は蔵のみで行われていた。もちろん“初のみきり”は蔵でしか味わえないものだった。でもやはり呑み助はたくましい。
懇意にしている蔵ののみきりのときは駆けつけ、一緒にティスティング!(という理由の呑み)する者も年々増えてきた。とはいえ、全員参加できるわけでもない。(蔵によってルールがあるし、参加制限もあるので、あしからずご了承ください)

飲めない呑み助は恐ろしい(笑)。
「のみたい、のみたい、のみたーーーーい!」という念が大きく育ち、
酒業界を動かした。

日本名門酒会によって、時期イベント酒として“初のみきり”が紹介&販売される場所を紹介され、
蔵に出かけられず残念がっていた呑み助も初のみきりが飲めるようになったのである。

(http://www.meimonshu.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=2927)

今回の参加蔵は
浦霞[宮城]  米鶴[山形]  榮川[福島]  開華[栃木]  若竹[静岡] 
春鶯囀[山梨]  若戎[三重]  春鹿[奈良]  酒呑童子[京都] 
嘉美心[岡山]  五橋[山口]  梅錦[愛媛]  西の関[大分] 

全部飲んでみたーい( ̄▼ ̄)ニヤッ 心の本音。

その参加蔵のうちの3蔵が、今、千駄木のRistorante tono;4122さんで飲み比べができる。

栃木の「開華」、三重の「若戎」、山口の「五橋」。
どれもgon麹、好きな子ばかり。
七夕発売らしく、ボトルもラベルも♪ 眺めているだけで涼しくなる。
しかもお気づきだろうか。開華のラベル、「開夏」となっている。
これは決してミスプリントではなく、夏ということで、このラベルとなっているようだ。
いやはや、見事な演出。酒呑みの心を楽しませてくれる。

「開夏」は先月の6/5に関東近郊から大勢の酒屋さんや飲食さんが蔵に集まり、
杜氏や蔵人とともに5つのタンクの酒を真剣に利き酒し、
そのなかで一番旨い!と人気があった98号になったそうだ。
清々しい香りで味わいも鮮明かつ鮮やかなもの。
爽やかにのみつつも味わいの流れもしっかりと口のなかに流れていく。
そして独特のフルーツさは開華ならではだ。
生詰めの原酒の無濾過とはいえ、爽快かつなめやかで華やかなので、飲みやすい。

「若戎」は育もとの「真秀」!!
いやっほーーーーい!「真秀」降臨。(若戎のなかでも個人的に惚れ込んでいる子)
香味バランスはまちがいなく、穏やかな香りが心を落ち着かせてくれる。
まるまるっとしたまろやかな質感。コクがやさしい厚みのあるラインを伸ばし、
いつまでも綺麗な味わいに心を奪われる。とにかく味わいの幅が広い子で呑みつつ
もう惚れてしまうやろおおと舌なめずりをしてしまう。

「五橋」。ここはもう例えようがない。
文句なしの味。
いつもながら、一見、古風な雰囲気がまず第一印象。でもそこからが違うのが「五橋」。
口のなかで消えたと思った瞬間、ずわんと現れる、味わいの波。
飲んでいないのに、口のなかでとうとうの流れる味わいの大河。
米の甘さがきちきちっと積み重なり、スマートで湾曲をもつこのしなやかさは
我々日本人の昔から秘めるあるべき姿だとDNAの記憶をノックしてくれる。
冷やしたときより、常温に戻るときの微妙な味わいの揺れがまたおもしろいのだ。
(http://www.youtube.com/watch?v=YVTRP7PLesc)

三者三様のすばらしき初のみきりの世界。
蔵に行けなかった呑み助の「いいないいな」という思いが動かした!? 初のみ切りのイベント酒。

猛暑といわれる今夏こそ、夏バテに負けぬよう、飲んでおくべきものだろう。
各蔵元からの「暑中お見舞い」の一杯を。

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追伸:初のみきり、飲み比べ。さらに面白い飲み比べができたのだが……それはまた次回にて。
by gon1442 | 2013-07-11 12:05 | 日本:日本酒 | Comments(0)

シュワシュワで熱中症をふっとばせ!

平年より半月早い梅雨明け宣言がでた関東甲信越。
宣言がでたとたん、熱波が猛威をふるう! 酷暑。
これじゃあ、暑中見舞いじゃなく酷暑見舞いじゃないか!と、
陽炎がゆらぐ窓の外をみて倒れている次第。

こういうときはやはりシュワっと爽快にいきたいもの。
ビールもいい。シャンパンもいい!サイダーもいい!
でも今、飲みたいのは

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山口、酒井酒造の子「ねね」。
純米発砲酒のスパークリングだ。
アルコール度数は5.5とビールクラス。


純米発泡酒の持つ伝統や、五橋の正統的な製法をベースに
色々な食とともに気軽に楽しめるように作られた子である。

「ねね」というネーミングは日本人ならばピンとくる、
太閤さんの奥さん、北政所さんの本名からとったもので、
ねねさんは日本歴史上、ファーストレディーとしてトップ3にはいる人物。
あの戦乱期、柔軟な思考をもち、世の中の動向を見据えた賢い女性だ。
そんなねねさんのように、
「ねね」はどんなシチュエーションでもどんな相方とも柔軟に相性がよく(バランスがよく)
単品であっても、しっかりと呑み手を喜ばしてくれるという願いが込められた子なのだろう。

とにかく飲みやすい!
軽やかで瓶内二次発酵のシュワシュワ感が
涼しさを身体中に運んでくれる。
そしてお米の香りもしっかり保ってくれている。
風呂上がりに一杯!というシチュエーションにぴったり。
そして暑すぎるこの夏、
甘酸っぱさが身体を癒してくれるというわけだ。

※アルコールですので、未成年および、車&自転車運転の前は飲んではいけません。

暑気払いの一杯、熱中症防止に呑み助ならば、ちょいっと1本、手を伸ばしたい子である。

追伸:
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『bacchante』2(P92、93)でも「ねね」紹介中。


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by gon1442 | 2013-07-08 12:37 | 日本:日本酒 | Comments(0)

立春の日は搾りたてに酔う♪

立春朝搾り。
1998年に日本名門酒会が始めたこのイベントは
あっという間に日本の暦にしっかり根付いている。
今年は全国の日本酒蔵元39蔵が参加し、4日の立春の朝に搾った新酒が
それぞれ蔵と契約している酒屋&飲食店に運ばれ、酒呑みの口に届いた。

立春はその字のごとく春のはじまり。
2月4日は例年よりも3、4℃高い3月の暖かい気温。
春がきているのを感じた1日であった。

今回いただいた立春朝搾りは
栃木県の第一酒造さんの開華。

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精米歩合は53%。
およそ半分の精米された酒米で醸された朝搾り。
一口目はほのかに硬さがあるけれど、のんびり呑んでいると
その硬さは春の暖かさを感じて膨らむ桜の花の蕾のようにじんわりと優しさを感じさせてくれる。
味わいの広がりは分度器角度70度くらいだけども、
旨さはまっすぐのびる道路のようにどこまでもユレなく続く。
朝搾りというフレッシュさというべきなのか
舌の上で香りのたまりを若干感じるものの、それも慣れてしまえば、個性のひとつ。
絞った当日にしか味わえない世界なのかもしれない。



立春の日から2日ばかり経っていただいたのは

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山口県、酒井酒造さんの五橋と三重県、若戎酒造の若戎。

蔵違いの飲み比べをすると、蔵ごとに味わいが見事に異なるのがよくわかる。
五橋は昨年いただいた立春朝搾りと比較すると、今年は一口目から春の陽射しに花を咲かせる華やかさを感じる。夏から秋に咲きほこるマリーゴールドのようなイメージ。
そして感じるのは朝搾りながら感じる酸味。
はや摘みしたプチトマトを齧った味わいには思わずニンマリしてしまう。
温暖な瀬戸内海の風景がしっかりと酒のなかにとけ込んでいるようで
春の海をやさしくきらめく太陽の陽射しが体中に走りだしていく。

若戎は昨年同様、清楚古風な風味に安心してグラスを持ち続けられた。
八百万の神々が集う日本の山脈に霧がたちこめた雰囲気が感じることができる。
そしてすぅうっとしとやかに流れる1本の滝があらわれる。
激しいものでなく、岩をつたいながらも一筋の柱のように天と地をつなぎ、
とうとうと旨味を舌の上に流し込んでくれる。
はじまりは堅実質素な世界でありながらも、口のなか、喉奥でゆるりゆるりと幅がひろがるのは
春先に花を満開にするモクレンのイメージ。
今年も自分の酒癖にピタリと合う子だ。

今年は39蔵のそれぞれの子が日本全国、呑み助の前に登場し、愉しまれていることだろう。
できれば39蔵、すべて呑みたいのが本音。
とはいえ、立春朝搾りというのは基本、地域限定酒である。
その土地にいてこそ、いただけるという決まりごと。
であるが、
その各地方の立春朝搾りが呑めるのは
日本の流通網のすばらしさと、
各蔵元さんの近郊や取引ある酒屋、
飲食店が2月4日の早朝から各蔵に出かけ、
瓶詰めや出荷作業を手伝い、
予約注文分の立春朝搾りを直接蔵から運び出し、
その日のうちに店舗販売(予約)するからである。

日本酒の搾りたては早々飲めるものじゃない。
こういう子は蔵元に直接いかないとどだい無理な話だ。

それが呑める今の時代。
本当にありがたいことだ。

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立春朝搾りをいただくときはもちろん、ラベルの裏も要チェック。
「大吉」とかかれた文字が見えたら……
今年も無病息災でという蔵元からの祈りが届いた証である。

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昨年の立春朝搾りはこんな感じでUP中。

※各立春朝搾りのイメージはあくまでもgon麹の酒感(主観)ですので、ご自身の感覚でお楽しみください。m(_ _"m)ペコリ ペコリ(o_ _)o))


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撮影協力Ristorante tono;4122つちや
by gon1442 | 2013-02-07 15:15 | 日本:日本酒 | Comments(0)

白露の日

今日は、二十四節気の第15の‘白露’の日。
処暑 → 白露 → 秋分と秋分の日までの間の節気で
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉どおり、
日々涼しくなってくるのが体感できる季節である。

さて、‘白露’の日。本日解禁なのが

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山形県鶴岡市、竹の露酒造の「白露垂珠 」ひやおろし。
羽黒産麹の美山錦に掛米に出羽燦々。
楽しみの子だ。

一口いただいたとき、秋風が口のなかにすべりこむような感覚を覚える。
その風の余韻に甘さを覚える。のりしろというべきなのか、十二単の裾というべきか。
その甘さのラインを口のなかで噛みしめ、再び口に含む。

回を重ねるごとに白露のもつ柔らかさを感じる。
それは羽毛のように軽やかで温かい。

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「ひやおろし」生詰とあるので要冷蔵である。
冷たいのもいいが、常温に戻りつつある状態が面白い。
(冷たいと歯にしみる……あぁ〜歯医者行かねば)
絞りたて後、すぐに火入れをし、それを半年熟成。それを生詰めで出荷された子。
常温に戻るほど
稲の花が咲くように隠れていた旨味がぽんぽん顔をだしてくる。
味にぬめりさがでてきて、これがまた盃をすすめる。
この独特の伸びは白露らしい性格だ。


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秋の夜長、秋刀魚をアテに一合をちびりちびり。
脂ののった秋刀魚の身が白露の羽衣の裾を纏って胃袋に消えていく。

ひと風吹くごとに近づく秋の季節。
汗をかきつつも気づけば周りは秋の色。
白露の節気。
今日は草露白。
草におりた露がキラリと光る……そんな場面を心に描いて。
白露垂珠  ひやおろし」もう一献。

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@竹の露FBより借用




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撮影協力
DATA)
店名:呑処ひとり旅
電話:03-3203-5021
住所:豊島区高田3-10-14 吉野ビル1F
営 :18:00~翌1:00(L.O.24:00)
休 :日
by gon1442 | 2012-09-07 12:16 | 日本:日本酒 | Comments(0)

酒呑み&放浪虫一匹が世界中の酒を飲むために東西南北奔走する。フリーライターという職業といいながら、その正体は……ただの呑み助&食いしん坊な一匹麹


by gonpanda
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