ゴン麹 酔いどれ散歩千鳥足 <野望と無謀>

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カテゴリ:日本:蔵めぐり 日本酒( 8 )

2014年 酉年 酒ナフキン 


2017年。今年も気づけば1ヶ月が過ぎた。
日本酒の蔵は今が最盛期の造りの時期。
大寒も過ぎ、立春と暦の上では春が来る兆しの季節であるが、
もちろん、冬将軍に南岸低気圧は絶好調の日々だ。
さて、今年も酒ナフキンをぼつぼつ活動中。
トップバッターは、愛媛県の成龍酒造さん。
1月3日という新年早々の酒ナフキンにもかかわらず、心よく迎えてくれたのは
四国が誇るイケメン蔵元の首藤さん。
次の日の米蒸しの準備をしている時なのに、図々しく酒ナフキンである。
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成龍酒造が創業したのは1877年。
ちょうど140年前のこと。
庄屋の米蔵の鍵を預かる仕事をしていたが、9代目の時代、国の政策で庄屋制度が廃止され、鍵屋としての仕事も廃業。
次なる仕事として9代目が立ち上げたのが酒造りだった。
成龍酒造の銘柄で有名な『伊予賀儀屋』はこの鍵屋だった時の由来からくる。


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「うちの味の要は水です」という首藤さん。
常に14度の温度を保つ超軟水の地下水がこんこんと湧き出る井戸は
敷地内に2箇所。造りが始まる前には必ず井戸を綺麗に清めるのが習わしだ。

どんなに外が寒くても地下水の温度は変わらないため

水作業をしている時の方が温く感じることも多いとか。もちろん風が吹くと寒い。

140年を超える蔵は歴史がいろいろある。

戦時中は軍の飛行機を隠すために場所を貸してほしいと国からの依頼があったり

あの南海地震もどうにか持ちこたえた場所もある。

「悲しい虚しい歴史もありますが、ここは酒蔵。おいしい酒を生みだすための場所です。酒は心、そして夢で造り出すもの。これは昔も今も変わらない」。








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成龍酒造さんといえば、何といっても家族愛が深い。

SNSなどでも家族をいかに大事に愛しているかを多く見られ、幸せのおすそ分けをいただく。
そんな心温かく、家族団結して醸す成龍酒造さんの子は一度飲むと
誰もがファンになっていくのだ。



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造りはこれからが本番。新酒も絞られ絶賛発売中。
今月はファン待望の蔵開きもある。
昨年は蔵に1500人が集ったという大盛況ぶりは地元でも有名で、

地域貢献の一環も担っているといえよう。



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昨年よりはじまった東京で開催する『四国 SAKE TRIP』。
もちろん、今年も開催予定にて。成龍酒造さんもご参加いただく予定である。
皆様、乞うご期待くだされ。


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酒ナフキンの後のお楽しみは玄関スペースの販売、テイスティングである。
運転手は試飲NGだが、首藤さんのおかあさんお手製の甘酒シャーベットはノンアルコール。
これをいただくだけでも美味しい体験だ。
(あまりに美味しくて、一度食べた人は買いたい買いたいと連呼。もちろんGon麹も)

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四国、愛媛が誇る名酒蔵の1つ、成龍酒造。

今年も目が離せな……喉が鳴るのは間違いない!

四国には美味しい日本酒がまだまだたくさん存在する。

酒ナフキンもフットワーク軽やかに参らねば。

2017年、酒ナフキン。

出没しているのを見かけたら、心温かく見守りくだされ(願)。



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DATA)
蔵名:成龍酒造株式会社
URL:http://www.seiryosyuzo.com

by gon1442 | 2017-02-06 12:17 | 日本:蔵めぐり 日本酒 | Comments(0)

伏見の地だからこそできた……廃業から復活、新しき世界を生み出した銘酒

昔から京都の酒は上方の酒として多くの人に珍重されてきた。
京都、伏見は灘に肩を並べる酒処。
歴史ある酒蔵が今もいくつも存在する。

そのなかのひとつ、『蒼空』という酒を醸す藤岡酒造
かつて時代の流れにより一度は廃業したが、7 年というときを経て蔵の扉は開かれた。

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再開した蔵の大きさは創業当時の1/10。
倉庫としてつかっていた場所を蔵に改造して酒造りをはじめたのが5代目蔵元、藤岡正章氏だ。

藤岡酒造に御邪魔したのは2回。
1度は京都の友人に連れてきてもらい、もう一度きてみたいという思いが縁を結び、
先月、蔵見学することができた。


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造りから出荷作業まで全て一人でこなす藤岡さん。
「大変なのでは? とよく聞かれますが、実は一人のほうが効率がいいことも多いのです」という。
蔵の中には約2500リットルのタンクが5本。
仕込みの時期にはこの5本をフル活動させて、旨し酒を醸し続ける。
ひとりだから、全てに目を向けることができ、こだわれる!
これが利点だという藤岡さん。酒米手配から酒の管理、瓶詰めまで自分が納得できる味を追求し、
『蒼空』が生まれたのだ。

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そんな『蒼空』を蔵直で飲めるのが、併設している酒蔵BAR えん。
ガラス越しに仕込み酒蔵を眺めることができるカウンターは人気席で、
観光客はもちろん、地元の人の憩いの場になっている。
仕込みの時期は蔵で作業をしている藤岡さんの姿を見ることもできるとか。

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春夏秋冬、それぞれの季節に合わせた『蒼空』が楽しめる場所、それが藤岡酒造である。

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※マイナビニュースー旅行ーのなかで藤岡酒造を紹介中。京都の旅のヒントにしていただけると幸いです。



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DATA)
蔵名:藤岡酒造
住所:京都府京都市伏見区今町672-1
電話:075-611-4666
営業:11時30分~18時00分(酒Bar えん)
休   :水(酒Bar えん)

URL:http://www.sookuu.net/index.html
by gon1442 | 2015-07-12 10:55 | 日本:蔵めぐり 日本酒 | Comments(0)

2015 酒ナフキン酒動♪ ー成龍酒造ー

10代、20代はじめの頃。
とにかく四国という場所から出たかった。
どうにか利用をつけて、外に出ようとした。それからウン十年。
自分の生まれた場所、四国ってこんなに美しく、生活しやすいところだと気づいた。

2015年。1月。
今年も酒ナフキンの活動を酒動(始動)する。

目指すはお隣の愛媛県、西条市。
車ではよく通るところだが、ここがどのようなところかを知っているかどうかと聞かれると
四国生まれでといえないほどの知識しか持たぬ。

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今回、この地で創業138年という酒蔵、成龍酒造さんに御邪魔することができた。

成龍酒造というと、地元で人気あるのが『御代栄』。
駅のホームでも大きく看板が掲げられ、地元に親しまれている子なんだということがわかる。
『伊予賀儀屋』といえばピン! とくる人が多いのではないだろうか。

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首藤英友さんと知り合えたのは、2年前に手がけていた『bacchante』(休刊中)のインタビュー。
故郷の隣県にこんな人がいるんだーと知ったとき、やっぱり四国ってええとこやと思えたものだった。
「蔵に御邪魔しますー」と約束してはや2年。口ばっかり麹だったあんぽんたんは、2015年新春。ようやく蔵に潜入することができた。

成龍酒造の造りは少数精鋭部隊。
杜氏の織田さんと首藤さんの弟の敏孝さんが中心となって精を出している。

今回、御手伝い(という名の邪魔)させていただいたのは
洗米&侵積、そして水切り。

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今回洗米している酒米は『伊予賀儀屋 無濾過 純米吟醸 黒ラベル』で使う松山三井。
大粒の酒米でありながら、米の旨味をしっかりともつ酒米で、
精米機にかけたときにも砕けにくく、精米歩合を極限までに高められると評判よし、品質よしの愛媛原産の品種だ。

この松山三井を50%精米したものを洗米するのだが、
洗う前から白い。
まあ、米だから白いのだけど、まるまるっとした米がかわいらしい。
水流で洗う洗米。
水は蔵内にある井戸水で勢いよく洗う。
地下水だからかなり水温が高く感じる。
平均13〜15度だと教えてくれる首藤さん。滑らかな地下水は造り作業の蔵内のなかでホッとできる存在だ。(風が吹くと寒いけど)

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1分半かけて入念に酒米を洗うと、はじめにみたときより一段階トーンがあがったような白さに。
そしてその酒米をハンギリの桶に決めた時間、侵積させる。

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ピピピ、ピピピとアラームが鳴ると同時にハンギリから酒米をだし、水切りをするのだが、
ここがまさに思わずえええ!っという方法を目にすることとなる。
水のしたたる酒米袋をもって、時計の振り子のように左右に振る、振る、振る。
水気が飛ばなくなった頃合いをみて、水飛ばし専用機器にいれ、さらに水気をとる。

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「この機材をいれる前は全て人海戦術でしたよ。水気がきっちり飛ぶまで右に左に。コツさえ使えば酒米の重さを利用して振れますよ」という笑顔の敏孝さん。

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い、いや、笑顔でいっているが、絶対大変やろおおおおお! と酒呑みの本能が騒いだ。

やってみます!?と この振り子水切りを3袋ばかり手をだしたが、
脂肪だらけの二の腕が悲鳴を「無理よ、無理、無理」と泣き出す。
3袋全て、敏孝さんのチェックがはいり、OKにならず。敏孝さんの振り子打法が加わってようやく機械へ。

や、役にたたぬ麹……。

米の水切りひとつ、手が抜けぬのが酒造りの難しさ。気をぬくところがないのが酒の世界なのだ。

酒米は一袋10キロ。
それを1回に約300キロ、洗米し、侵積、水切り作業が行われる。
酒米はひと晩、しっかりと乾燥させ、
翌日、蒸米となり、酒造りの工程が進んでいく。

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「助かりました」といってくれるお蔵の皆様。
なんて心優しい方ばかり。うっすら涙ならぬ、涎がでているのを見てか、首藤さんの「試飲ですよね(笑)」と嬉しきご案内。

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モーチーローンと作業場を後にし、スキップしながらお店のほうへ。
ここは首藤さんがインタビューのとき「地元の人との交流の場になるような空間にしたい」と話しをしていた酒蔵リノベーションZONE。
酒蔵から伝えたい思いや故郷の魅力を発信したいといっていた場所は
明るく、桶の蓋のテーブルや暖かい灯りと共にゆったりと音楽が流れ、
御近所さんが暖簾をくぐっては、集う空間になっていた。
KIDSスペースもあり、親子連れで楽しめるという心くばりはまさに四国のお接待の心、ここにあり!である。

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こちらで今回試飲させてもらったのは9本。
『伊予賀儀屋』から『御代栄』に梅酒に貴醸酒。そしてブレンド酒(非売品)。

「完飲しなくてもいいですからね」(首藤さん)

そ、そんなに飲みませんから(汗)。
といいつつも、全部チビチビ飲んだ後、お気に入り子を何度も注いでいたのは間違いなし。

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『伊予賀儀屋 無濾過 味口本醸造 青ラベル』がやっぱりお気に入り。
食事と一緒に無理なく飲めるというのが『伊予賀儀屋』のいいところ。
なかでもこの本醸造は米の旨味をしっかりと保ちつつ、喉越しはスッキリとしており、口に含んだ時と喉越しを通るときの幅の大きさが楽しめる子だ。
常温ではじまると、いつまでもゆるゆる……ズルズル……。あっという間に気化してる !?という魅力をもっている。
まさに「こいつはいけねえ!?」と酒呑みは大喜びする子である。

試飲という名の呑みタイム。ちょっとのつもりが小一時間強!(居座りすぎか?)
もちろんかなり酔い気分♪
酩酊する前に(ここ重要)お気に入りの子達を数本チョイス。
梅酒も1本(これは賄賂として、うちの親用)。

蔵に御邪魔したときより、荷物が増える酒ナフキンは今年も健在である。

成龍酒造さんの蔵開きは春と秋。
蔵開きのときのみ出荷する子は貯蔵庫にお行儀よく眠っていた。
こ、これは呑まなくては! 酒呑み根性に火が灯る。
昨年はなんと1000人超えの蔵開き。さすが人気蔵、成龍酒造!
地元はもちろん、四国、いや全国に成龍酒造ファンが増加中の証。
米の旨味が100%以上いきた味を醸す、旨し酒。
成龍酒造をはじめ、
四国にはこれは!という酒蔵がまだまだぎょうさん(多く)ある。

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さ、次はどこの旨き愛しき子に会いに行こうか。
2015年、酒ナフキン、酎ナフキンは始まったばかり。


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DATA)

蔵名:成龍酒造株式会社
住所:愛媛県西条市周布1301-1
URL:http://www.seiryosyuzo.com/index.html
備考:次回の蔵開きは春! 詳しくは蔵のHPで確認を♪
by gon1442 | 2015-01-06 10:31 | 日本:蔵めぐり 日本酒 | Comments(0)

田んぼ探訪 ー川鶴酒造ー

数日前、最高気温が更新された。(高知県、四万十で41度を超え)
同じ四国の香川県、讃岐の地も
8時を超えると外は熱気の波がうねりだす。
外の道を歩く人はほとんどいない。
移動するのも車。車でなければ、歩けない。
誰もこの熱波の中に出ようとはしない。
そんな熱さをものともせず、熱い大地の上で
しっかりと根をはっている田。
早植の稲はもう穂をつけている。
そんな田のなかにある青々とした田に到着。
昨年より、夏になると必ず観察しにいくのが
香川県、観音寺市の川鶴酒造さんの田んぼである。

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酒米、山田錦を植えた3枚の田。
梅雨前に地元の勇士が苗をひとつひとつ手植えしたものだ。
※来年からは県外にも勇士を募る予定。

田の地がひび割れている。
水不足が叫ばれている香川県。その影響かと心配するが
敢えて水を張らず、稲自らの力で土地の水分を吸い上げる力強さをもたせるためらしい。
力強くすることで土地の栄養分はもちろん、台風などの強風でも倒れにくくする効果があるそうだ。

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大体田んぼ一枚から捕れる山田錦の量は6俵ほど収穫できる。
もちろん、川鶴の酒へと変身するが、量が量だけに、
三枚の田から収穫された山田錦は県内消費の地酒のみだ。

東京や大阪など全国の川鶴ファンが聞くと、なんでだああ!と騒ぎそうだが、
川鶴酒造は香川の地酒。地元あっての地の酒蔵である。
どうしても飲みたいという熱烈な呑み助なら、讃岐の地にやってくるはずだ。

刈り取りは秋。田植えした勇士の手によって一株一株刈り取られていく。
熱い熱いといいつつも、暦は秋。
気づけば、中秋の名月〜なあんてことになるかもしれない。
酒造りの時期を目指して、川鶴酒造の山田錦はしっかりと大きく育っている。

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手植えだけに、ハ◯というか、稲が消えてる!?!?部分も一カ所……数カ所。
味がある田んぼは呑み助や地元の人の愛情がいっぱい詰まってる♪
※許可を得て田んぼに入っています。

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DAYA)
蔵名:川鶴酒造株式会社
住所:観音寺市本大町836
銘柄:川鶴、大瀬戸、吉祥翔鶴
創業:1891年
蔵元:6代目
杜氏:但馬杜氏
by gon1442 | 2013-08-14 16:15 | 日本:蔵めぐり 日本酒 | Comments(0)

十六代目として〜湯川酒造 湯川尚子さん〜 

湯川尚子さん。
酒呑みなら名前は聞いたことがあるだろう。
慶安3年(1650)の創業以来、長野県木曽路の地にある老舗酒蔵、湯川酒造の16代目。
女性蔵元である。
gon麹もここ数年で酒イベントなどで何度かお会いするたびに
いつかこの人の生まれ育った蔵にお邪魔したいと思っていた。
そんな思いが叶ったのが今秋のこと。
造りはじめの頃のことである。

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とにかく長野の木曽路は山深き場所。
昔の街道の地とは聞いていたが、蔵は山と山の間に伸びる薮原宿の一角にあった。

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大きく木曽路と彫られた看板と酒林(杉玉)、
そして大きな信楽焼のお狸さんが目印である。

引き戸のチャイムを押して中を伺うと、尚子さんのお母様が出迎えてくれた。
風格ある屋敷のなかの土間を歩き、奥の酒蔵へ。
時刻はAM9:00。
蔵の二階では大きな甑で酒米がふっくらと蒸されていた。

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膨れた白布の上にある籠は高知の職人の手のもの。
今季の造りで新調されたものとか。
「籠のほうが持ち運びやすい」(丸山杜氏)。

蒸された酒米の蒸気が新しい籠を包み込み、炊きたてご飯の美味しそうな香りなかに
竹の青々しい香りがほのかに混ざっている。

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二層になっている甑。
今回の蒸しで上層は60キロ。これは室に引き込まれる。
約1時間、じっくりと甑で蒸される酒米。

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蒸し具合は酒造りに携わる蔵人全員で確認。
蒸し具合を見る「ひねり餅」だ。
少量の蒸し米を手に取り熱いうちに
手のひらでひねって餅をつくり、そのひねり餅で蒸し上がり具合をみる。
蔵元、杜氏、蔵人関係なく、皆手にとり確かめる。

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いい蒸し具合と判断したら、専用のスコップで甑から蒸米を掘り出す作業に。
スコップで籠などに入れこむ、いわゆる‘掘る’作業。
大体、籠1杯5キロ弱。
室にひきこむ作業は時間との勝負。
男はもちろん、女でも弱音なんていってられない。

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甑と室の間を蔵人が代わる代わる往復する。
秋とはいえ、外気は肌寒いはずなのに、引き込み最中の蔵の現場の空気は暑い。

お釜の下層で蒸されていた米は酒母用のかけ米となる。

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蔵の酒母室は一階。
そこまで蒸した米を運ぶのは!エアーホース!大統領専用機!ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ  
エアシューターである。

そのエアシューターをセットするのは杜氏の仕事。
手慣れた様子で蔵の中に隠されていたホースを取り出してきて、
セッティング。

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セットができたら、下層の蒸し米を放冷機へ。

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一粒も無駄にしないように慎重に。
「うちの蔵のある場所は谷間なので、幅が狭い。だから上へ上への構造になるけど、
この構造がうちの造りにとってちょうどいい広さなんですよ」(尚子さん)。

ちょうど小学校の教室一部屋くらいの空間に甑と放冷機が並び、
その上を蒸し米がクレーンで飛んでいく。
サーカスのパフォーマンスをみているような感覚でワクワクするのは見学しているものだけ。
造り手はもちろん真剣である。

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放冷機の上で蒸米をくるんだ布の下を開いて、いれる。
スイッチをいれると蔵中に響くゴゴゴゴオゴゴゴオオオゴオオオという機械音。
大きなおだんご状だった蒸米が放冷機の中で圴一な大きさで広げられ、
ほぼ一定の温度まで下げられていく。

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「ほぼ圴一な温度にしないといけないから、なるべく大きな塊にならないように気をつける」という丸山杜氏。
放冷機のベルト上に動いている蒸米のすべてにぬかりなく目を光らせて、
少しでも大きな塊があれば、手にとりほぐし、圴一にほぐしていく。
まだ蒸米からは湯気が立ち上っている。
熱いはずだ。熱いはずだが、そんな気配すら微塵も見せない。

「熱いときでも熱いという暇なんてないんです」と以前、尚子さんに聞いたことがある。
造りは時間との勝負。特に‘蒸し’は温度があってのものだ。

なんでもすぐに「熱いからもてへん」とネコ手をアピールするgon麹。恥ずかしい……。

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放冷機を通った蒸米をほぐしつつ、杜氏は匂いをかいで出来具合をチェック。
このあと、かけ米として
エアシューターで酒母室のタンクまで運ばれるのだ。

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エアシューターは二階から一階へとタンクの上や他の機械の上にはりめぐらされている。
夏のウォータープールの滑り台みたいな感じで、
放冷機を飛び出したかけ米はあっという間に通り過ぎていく。
じぃいいっとホースをみていると白い米がビュンビュンビュンと飛んでいくのがよくわかる。
まるで運動会で各蒸米が酒母タンク目指してかけっこをしているような感じだ。
ε=ε=(* ̄ー)ノノ[タンク] ε=ε=(* ̄ー)ノノ[タンク]
あぁ一緒にかけっこしたい♪

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酒母室では蔵人が小ぶりの電動櫂をもって、
かけっこしてきたかけ米のゴールを受け止めている。
勢いよく酒母タンクにダイブするかけ米。

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「今回は120キロくらいのかけ米です。この酒タンクは200リットルなので今日は少ないくらいですね。まだ溶かしやすい量ですよ」(蔵人)

造り中頃になると150キロ以上だとか。こうなってくると電動の櫂で勢いよくかき混ぜても
なかなかスムーズにはいかないらしい。

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二の腕が筋肉痛になるのでは?と見ているほうが心配になってくるが、
そこは蔵人。へっちゃらさーという涼しい顔で作業を続ける。

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温度をみつつ、撹拌を続ける。
蔵で働くということは体力がないとできないことなのだ。
あぁ、運動不足気味のgon麹は1時間で音を上げるのは間違いない。

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湯川酒造で使われている酵母は協会901号。
性質は協会9号と同じだが、醪で高泡を出さない酵母だ。
「酸は少ないけれど、香気が高いですね」(尚子さん)。
酒呑みだが、こういう酵母の話になると小学一年生レベルのgon麹。
ちゃんと知識いれておかねば。アセ(;~▽~;)アセ

かけ米のエアシューターかけっこはあっという間に終わる。
すると蔵人全員でホースの片付け。
ホースのつなぎ目を外して、元の場所へ。

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片付ける前のホース内をのぞくとゴールできずに力つきたかけ米さんが……。
「おつかれさん」と思わず、声かけた。

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さて、尚子さんは室に引き込んだ蒸米に麹菌をふりかける種きり作業である。

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缶から飛び出す種麹。緑色に見えるのは一瞬だけで、
あっという間に蒸米の周りに消えていく。
振りかけたら、床もみ作業。
蒸米に圴一に種麹が付着するように何度もひっくり返す。
室のなかは約35度。
熱い、じっとりと汗をかいてしまう。

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「寒すぎても暑すぎてもダメなので一番温度管理に気をつかいますね。でもこの米がうちの酒を造りだしてくれると思うと、そういう手間暇もへっちゃら……かも。あ、造りの初めだからいえるんですけれど。忙しくなると、もうヘトヘトになりますよ(笑)」(尚子さん)。

某CMで酒造りをする職人の手の美しさをとりあげていたものがあった。
尚子さんの手もそうなのだろうか……と、じぃいいとみていたgon麹。
その視線に感づいて、一言。
「床もみとかすると確かに肌にいいと思うけど、それ以上に洗米作業など水を使う作業が多いので、荒れてますよ(爆)」
という尚子さんの肌は間違いなく白くてきめ細かい。

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仕込み水はもちろん、蔵で使われている水はすべて
広大なカラマツ林が広がる木曽山地より湧き出す井戸水。
透明度はかなりあり、冷たさも十分。
今夏のように猛暑が続いた日にごくごく飲みたい気分である。

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作業が一通りできたら、掃除である。
使ったものすべて綺麗に水洗い。
「次の仕込みをスムーズにするために、湯川酒造の品質を保つために
掃除が一番大事だ」と丸山杜氏はいう。
その言葉どおり、掃除し終わった蔵はピッカピカ。
ここで造られる子は間違いないと「よくできました」という太鼓判が押せる。

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湯川酒造の酒は二通りに分かれる。
都会を中心に人気がある『九郎右衛門』シリーズと昔ながらの『木曽路』だ。
地元の人は昔なじみの『木曽路』に手が伸びるらしい。
どっしりとした子で、旨味の幅が面白いほど広く、そして深い。
雑味というと語弊があるが、米ひとつひとつの味が面白いぐらい元気なのだ。
飲みやすいということはない。どちらかというとしっかりとのんびり、ちびりちびりと
いつまでも飲んでいる子だろう。

飲みやすさでいえば『九郎右衛門』のほうかもしれない。
こちらはこちらでいろんな味の世界をもつ子が多く、ストレートでもよし、燗酒にも向く。

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「酒は賛否両論ある世界だけど、嗜好品なのだから、いろんな性格があっていいと思う。そのなかでうちの酒は、飲んでいる人が当たり前のようにいつでもサッと嗜んでもらえる子になるといいな」

湯川酒造16代目当主、湯川尚子さん。
造りは今からどんどん忙しく気がぬけなくなるだろう。
今年より造りの蔵人は丸山杜氏を含めて4人体制となった。

「少数精鋭でうちの酒は造りだします。23BYもよかったけど24BYもやっぱりいいね、といわれるように」

まだ秋色に染まっていなかった木曽の山々はもう雪がつもっているとか。
日照時間もどんどん短くなる。
今日も明日も明後日も湯川酒造の蔵からは蒸米の蒸気があがり、
タンクに櫂をいれる音が聞こえているのだろう。

今宵の一杯は、尚子さん達が醸し出した子に決めた。

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※12月7日、双葉社より発売された『Bacchante』で湯川尚子さんを紹介しております。尚子さんがどのような思いで酒を造り続けているのか……。ぜひご覧ください。全国書店、都内コンビニ、アマゾンで購入可能。(http://bacchante.jp)

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DATA)
蔵名:湯川酒造店
住所:長野県木祖群木祖村藪原1003-1
電話:0264-36-2030
URL :http://www.sake-kisoji.com
by gon1442 | 2012-12-18 16:12 | 日本:蔵めぐり 日本酒 | Comments(2)

酒ナフキン:5000年前からのプレゼント 竹の露酒造『白露垂珠 天然波動水』

日本の水は世界一と誰がいったか。
大ホラ吹きといわれるかもしれないが、間違いなく日本の水は世界に誇れる水だろうと自分は思う。
そんな水の国のなかで声を忘れてしまうほど旨き水に出会ったのが昨年、
池袋の日本酒BAR、希紡庵で開催された白露垂珠の会だった。

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水を飲むというより水そのもが生き物のように肌、細胞に染みこんでくる。
滑らかさがありつつふんわりと柔らかい水、それが『白露垂珠 天然波動水』だった。

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「地下300mから汲み上げる地下水は羽三山の主峰、月山からはるかなときをかけて海に流れているんですよ。山から海までの距離を計算すると約5000年と私は考えています」

そう教えてくれるのは山形県鶴岡の竹の露、白露垂珠の蔵元、相沢政男氏。
5000年!紀元前に空より舞い降り、そして山々に染みて濾過された水。
エジプトや中国の歴史より深いw( ̄o ̄)w 。

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敷地内にいい水があるというのがわかったきっかけは
地域の地層ボーリング調査だったそうだ。

この地一帯に高圧の水晶地層帯が幅広く存在していることが判明。

「もしかしたら蔵の地にもこの水晶地層帯があるかも!」と思いきってボーリングしたところ
なんと上下の二重構造となっている水晶地層帯がみつかった。
その間を流れる地下水。

水晶地層=クリスタル地層。
「この水はゆっくりゆっくりとクリスタル地層で磨かれながら海へむかって流れています」
クリスタルで磨かれた水という話。
ということは!
この地下にはクリスタルの水道管が伸びているということになる。
オォォーーー!! w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w オォォーーー!!オォォーーー!! w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w オォォーーー!!
世界のセレブ、いや、地球上に覇者として名を列ねてきた人物でも
これほど贅沢なことはできないだろう……自然の大地のなせる業はいつも驚かされる。

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クリスタルの水道管でしっかり磨かれ守られた水は水蔵のタンクに貯水される。
汲み上げる水は毎分40リットル。
一旦タンクに入れ余分な成分を沈めるという作業を6回繰り返してから仕込み水はもちろんのこと、
あらゆる水に利用しているそうだ。

「汲み上げたばかりの時は水温も22度ぐらいと温かいんです。その温度を5度前後まで冷やすためにこの水蔵の窓を開放して自然の冷気でゆっくり冷やしていきます」

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水蔵のなかにあるタンクの内、水タンクとして利用しているのは6つ。
その6つのタンクをひとつひとつ経由して冷やしていく。
蔵内が暑いときは窓をあけて外気を取りこむ。
その自然の風を“月山おろし”と呼ぶそうだ。
月山おろし……響きはなんかおいしそう……( ̄u ̄*)
(-_-;)/(+_+;)\(-_-;) オイオイ

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地下水を汲み上げている水場で水を飲んでみる。
透明度はもちろん、陽光に反射してキラキラ光る水はほんのり暖かく
湯気がゆんわりとあがっている。
喉にまるまるとした旨水はつるりさらりと身体中に染みこんで
水がかかった掌や腕はいつまでもすべすべしい。

そんじゃそこらの高価な化粧水より保湿力は高いといってもおおげざではない。

「毎日顔を洗い、飲み、御飯に使っていると肌のきめ細かくなり白くなるのよ」と白露垂珠の会でいっていた相沢こづえさんの言葉どおりだ。

月山から時代を超えて流れるクリスタルに抱かれた水。
その水を冷やすのもまた月山の息吹なる風。
ミラクルとしかいえない!この『白露垂珠 天然波動水』は
羽三山の主峰の月山からの宝珠ともいえるだろう。
はるか昔から変わらず届く月山からのプレゼント。

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大地からのプレゼントを100%利用して醸される竹の露酒造の子は皆、
つややかでしっとりとした美人さんばかりである。




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DATA)
品名:『白露垂珠 天然波動水』ナチュラルミネラルウォーター
原材料名:水(月山深層水100%)
JIS硬度:19mg/L(超軟水)
イオン状シリカ:39mg/L
バナジウム:3μg/L
pH7.7「天然アルカリ無菌超軟水」
生水(非加熱殺菌)
ナトリウム:12mg
カルシウム:5.8mg
カリウム:0.6mg
マグネシウム:1.4mg
採水地:山形県鶴岡市羽黒町猪俣新田字屋前133 竹の露酒造場
URL:http://www.takenotsuyu.com/index2.html
by gon1442 | 2012-02-02 11:56 | 日本:蔵めぐり 日本酒 | Comments(4)

日本酒世界の新フェイス。風土と米と水と心がコラボした島酒

瀬戸内海の小豆島。
24の瞳で有名な島に、
2年前35年ぶりの日本酒の酒蔵が誕生した。


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一年中ほぼ温暖な気候な瀬戸内海のなかでも一番住みやすいといわれる小豆島。その島のなかで2年前に日本酒業界に一石投じる新蔵、森國酒造が誕生。

@島へ。39号掲載

島ならではの酒をつくるのです
by gon1442 | 2007-11-09 20:05 | 日本:蔵めぐり 日本酒 | Comments(4)

お中元にやってきた・・・!

熱中症が吹っ飛んだ!


ピンポ~ン。
酷暑の東京のとある昼さがり。
呼び鈴がなりました。
「佐川でーす」
という元気な声。
その声がまぶしすぎる・・・今の自分の状況。

うだるような部屋のなか
のそりのそりと動く自分は・・・
猫そのもの。

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(モデル:ポテチ)

何が届いたのか???
のそりのそり玄関へ。

そこで渡されたものは・・・・
by gon1442 | 2005-08-12 13:02 | 日本:蔵めぐり 日本酒 | Comments(7)

酒呑み&放浪虫一匹が世界中の酒を飲むために東西南北奔走する。フリーライターという職業といいながら、その正体は……ただの呑み助&食いしん坊な一匹麹


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