ひれ酒で乾杯
歩いていると
こんなものを見つけました。
フグのひれを大きな板に貼りつけ天日干ししています。
京都の小料理屋の軒先にはいくつもひれを貼り付けた板がでています。
この風景をみるとそろそろフグの季節(寒い季節)がやって来たなと感じてしまう。
これもまた日本の風景のひとつですね。
天日干しされたひれはカラカラに乾き、くさみもなく、風味を豊かな素材へと早変わり。
このひれをつかうといえば……。
ひれ酒。
こう寒さが続くと日本酒、それも熱燗が恋しくなります。
おこたでふぐ刺しを肴に一杯なんて、まさに冬の醍醐味。
ひれ酒は旨いうえに、とっても身体があたたます。
ひれ酒は飲む前に火をつけてアルコールを飛ばす光景が有名ですが
この火をつけることでいぶっておいたヒレの香ばしさが
より深く酒の味全体に広がります。
そんなひれ酒を求めて、ちょいっとお邪魔したのが
赤坂にある鶴八。
ここは政財界の要人に使われる老舗の割烹。
料理も接客も佇まいも素晴らしく、
先附けから煮物、焼き物、お造りのどれも秀逸。
特にてっちりの鮮度の良さは透明度抜群。
お皿の絵柄が透けて見えます。
ふぐの煮こごり。これは前菜の一部です。
ふぐのお刺身。いわゆる! てっさ。
これを贅沢にとりゃーと箸ですくう……。そんな贅沢は初心モノの自分としてはできません(ー^)。
ふぐの焼き物。白身のふぐはさっぱりとして、食べやすく、脂のバランスも◎。
こういうのが食卓にでるとうれしいですね(ということは・・・免許がいる嫁っこをもらわねば)
ふぐの皮としらたき。皮は意外とコリコリしてて、お酒のおつまみになりそう。
白味噌のふぐのみそ汁。
ぷりぷりとしたふぐを噛みしめると染みこんだ白味噌の甘さがふわっと口に広がります。
美味でございまーす。
なにより喜ぶのは〆のふぐ雑炊。
てっちり鍋でできあがった出汁をつかって
さらにことこと時間をかけて土鍋で女将自ら作ってくれる雑炊は
溶き卵の甘さと出汁のバランスもよく、
ほくほくと口をばたつかせつついただきました。
(3杯おかわり)
もちろん、おめあてのひれ酒をいただきつつ、てっちり料理を楽しむ。
ひれ酒とは、酒とあてが一緒になったような魅力的な飲みものです。
では、家庭でもできる美味しいひれ酒の作り方をひとつ。
1)ふぐひれを弱火でこんがりと焼く。香ばしい風味をつける)
2)蓋の出来る湯のみにいれて、やかんに酒を2合程いれます。
3)そのお酒を沸騰させてから湯のみに酒を注ぎ蓋しめる。
4)マッチなどで火をつけて、ゆっくり5~6回かき混ぜる
5)1分程蓋をして飲みます。
飲む前にひれを出しておくとひれは2度使えます。
他に鍋にお湯をわかし、かんびんに酒を入れて、沸騰させても同じことができます。
活魚料理 鶴八
住 港区赤坂5-4-17
電 03-3583-5835
要予約
ランチは1000円台~。夜は20000円~
登録中です。ぜひ今年もよろしゅうお願いいたします。