ゴン麹 酔いどれ散歩千鳥足 <野望と無謀>

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てぬぐいの歴史って けっこう古かった

酒柄のてぬぐいが手に入った。
てぬぐいは便利である。
手拭きに汗拭い、鞄の中の目隠しに
マスク代わり、物を包む風呂敷など用途は色々。

こんなてぬぐいはいつできたんだとうと思ったので
ちょっと調べてみた。

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てぬぐい。
タオルが明治初期に輸入されるまでは
どの家庭でも重宝されてきた
和のアイテムである。

てぬぐいの歴史は古く、1300年前の奈良時代に誕生したといわれている。


奈良時代には、まだ〝てぬぐい〟という名称はなかったが、てぬぐいのような布はあった。
当時は今のような使い方ではなく
神仏の清掃や飾りつけなどに使用するハレのアイテムで、神事の装身具としても使われていたとされる。
戦国時代までは麻布のてぬぐいだったが、高価な綿のてぬぐいは、一般人が手にする代物ではなく、
貴族や武士などの特別階級の品だった。

そんな特別品だったてぬぐいが一般に普及したのは、江戸時代。

江戸になると日本各地で綿花の栽培が盛んになりてぬぐいも多く作られ庶民にも浸透していった。

湿地帯を開拓してできた江戸の町は
砂埃がよく巻き上がっていたため、顔を覆ったり、頭から被ったりとスカーフや帽子のように使われていたようである。

また、現代のような用途で使われだしたのも江戸。
銭湯好きの江戸っ子が入浴のときに
てぬぐいで身体を拭くようになった。
銭湯で使われていたてぬぐいは湯手とも呼ばれていた。

さらに文化が円熟していた江戸では歌舞伎などの役者への贈答品として扱われていたようで、てぬぐいが役者の名刺代わりの紋や名にちなんだ粋な柄が作られ、そのてぬぐいをGETすることが一種のステイタスでもあった。

明治になると注染という染色の技術が考案され、より複雑な図柄も作られるようになったが、タオルやハンカチなどが輸入され、昔のアイテムは時代遅れという流れから廃れてしまった。

てぬぐいが見直されてきたのは、ここ数年の和文化の関心の強さにはじまる。

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雨などで濡れた体をハンカチで拭けばすぐにびしょびしょとなる。
タオルはかさばり、持ち歩けない。
その点、てぬぐいは薄く、コンパクトにたため、濡れてもすぐに乾くという利点と衛生さが見直された。

渋めな伝統柄からポップなキャラものまで種類も豊富で、手を拭くものだけではなく、タペストリーとして飾ったり、スカーフとして利用したりと様々な使い方ができるため、プレゼントなどに贈る人も少なくない。

今日ではてぬぐい専門店もできるほどだ。
小さな豆てぬぐいや
てぬぐいをたたんで糸綴じにした
手ぬぐい絵本などユニークなものも多く
外国からの観光客もお土産にと手にとるようになってきている。

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日本古来のてぬぐい。
1300年の歴史のなか
形を変えることなく
愛用される一品は
これからも私達の生活のなかで普遍的に存在しているのだろう。

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by gon1442 | 2015-10-30 15:25 | 本人:ひとりごと

酒呑み&放浪虫一匹がおいしいの酒を飲むために東西南北奔走。フリーランスのライターでありその正体は……ただの呑み助&食いしん坊な一匹麹。焼酎ストーリーテーラーになるべく今年は学びの年。島々にも出現いたします♪


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