ゴン麹 酔いどれ散歩千鳥足 <野望と無謀>

gon1442.exblog.jp ブログトップ | ログイン

五石のみのご縁酒 ー登水ー

酒の単位で石がある。

よく各蔵での酒量を●石で表すが、さて一石ってどのくらいだろう。

辞書で調べてみると 一石 = 180.39 リットル。
日本酒の一般的な容量で一升は1800mlだ。
江戸初期に計る升の大きさが統一され、
広さ四寸九分平方、深さ二寸七分の升に入る分量が一升となった。
一升の十分の一が一合、10倍が一斗、その10斗を一石となる。

100石とかよく耳にするが、
なんと造りが五石しかつくっていないお酒に先日であった。

五石のみのご縁酒 ー登水ー_c0059278_10195153.jpg


『登水』(とすい)。信州長野、上田にある和田龍酒造さんの子だ。
純米は「美山錦」を49%まで高精白したもので
3期目の造りでは、アルプス酵母の発酵が進まず、醪日数が通常の倍の50日に達したそうだ。
爽快な香りで全体的に綺麗にスルッと入る仕上がりでありながら
コクがきっちりあり、クリームのようなふくよかでまろやかさが半端なし。
柔らかな旨味とがバランスよく口中に広がる。
どこか生もとっぽさお感じ芯がある子だ。
このコクの主張が大きくなりそうな気配があり燗や常温にしてみた気もする。

『登水』の意味はラベルに書かれていた。
「登水は澄の異体字である登は古く ”みのる”と訓じているので、水の熟するを澄と云うのであろうならば登水は佳き酒のことになる。和田澄夫 敬白 」

五石のみのご縁酒 ー登水ー_c0059278_10444574.jpg

水が熟するという意のある造りの心。

今回頂いたのは生だが、これは四谷の某店で1回火入れは渋谷の某店で
2回火入れは地元のお蕎麦屋さん1軒のみでしか呑めない。


和田龍酒造は明治20年創業。
先々代の当主和田龍太郎翁が酒造業の傍ら
ぶどうの品種改良も手がけ「ぶどう和田龍」をつくり東信地域では珍重されるようになったそうだ。
それ以来、酒の銘柄も「和田龍」と命名。
本格的な酒造りへの取り組みがはじまった蔵だ。

『登水』の造りはわずか五石。
よっていつもあるというわけではない。
こう書くとまた幻なんていいそうだが、
幻ではなく……造り量が少ないための希少さ。
出会えたときに呑むことができる縁の酒というべき子なのかもしれない。

1回火入れ、2回火入れだと味はどう変わるのか……。
それもまたご縁しだい。




↑いつも読んでいただきありがとうございます。ぽちっとよろしくお願いします

にほんブログ村 酒ブログ 酔っ払いへ  にほんブログ村 酒ブログへ
↑新しく登録中です。こちらもぽちっとよろしくお願いします。by gon麹



DATA)
品名:登水
使用米:美山錦     
精米歩合:49%      
使用酵母:協会901号      
アルコール度数:17度      
日本酒度:+4     
酸 度:1.8      
アミノ酸度:1.0
蔵名:和田龍酒造
住所:長野県上田市中央西1丁目14-14
電話:0268-22-0461
 URL:http://www.wadaryu.com/index.html
by gon1442 | 2011-01-17 11:00 | 酒:その他

酒呑み&放浪虫一匹がおいしいの酒を飲むために東西南北奔走。フリーランスのライターでありその正体は……ただの呑み助&食いしん坊な一匹麹。焼酎ストーリーテーラーになるべく今年は学びの年。島々にも出現いたします♪


by gonpanda
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite