美人の由来……。
という言葉が聞こえてきたとある夜。
見つけたのが酒呑みなら耳にしたことはあるだろう……
高松の美人店、美人亭にお邪魔した。
お店があるのはとある雑居ビル。
東京ならパブビルか?! 客引きお兄ちゃんいそうやでー。
たどたどしい日本語をしゃべる(きちんとしゃべれるやろ)綺麗なお姉さんでてきそうな
そんな雑居ビルの1階を歩くと扉は開き、縄暖簾がかかっている。
そのディープさがあやしい、いや面白い……。
心して入るのと同時に何に出会えるワクワク感が頭を起こす。
店内にはいるとカウンターとお座敷にはすでに先客。って! まだ18時すぎやでー。
もうカウンターのおとうちゃん、できあがってるやんけ。
「いらっしゃい」とちゃきちゃき笑顔が素敵なお母さんが二人お出迎え。
カウンターに座ったとたん
「なんにする? 今日あるんは、魚はな、ケースのなかのもんとお皿のもんやで」
お母さん、メニューの説明、3秒で終了。カーン!
あぁ、あかん。よすぎるー。このぬるさ。
とりあえず、ビールをオーダーしつつ
ベラの酢漬けをいただく。
この赤い斑点がきっしょい魚。ちっちゃいとき海でよく釣ってた。
タンパクな白身に酢の酸味が染みこんで、いいアテ♪
ケースのなかのお魚のお刺身盛りをお願いしつつ、その横にある大皿が気になる!
立ち上がって覗きこむといい色合いの大根の煮や野菜系の色合いが。
そのなかに! これってもしかして……という一品に目がとまる。
「おかあさん、それ、もしかして、すかんぽ?」というと、
おかあさんにんまり。
「よーしっとるな。そうそうすかんぽ。すかんぽのおひたし」
すかんぽ。イタドリというとわかる人はいるだろう。
とはいえ、もうイタドリが食べられるものだと知っている人は少ないはず。
小学生の頃はこのすかんぽ、イタドリをみつけては
ポキッと折ってかじっていた記憶がある。
サトウキビのようなもの? と想像された方。いえいえ。草です(爆)。
春先に生えてくるもので、いわゆる野草になるけれど、
食べられるのは筋がそんなにない時期のものだけ。
だから、この秋の季節に出会うのも???
「これ、春先にとっとったんよ。それを冷凍保存しといて、時々だっしょん。おひたしにしたり炒めたりしたらええけんね」
gon麹としてみたら、このすかんぽ、イタドリのおひたしは懐かしい味。
子供時代、食卓にでていた味だった。
「これ、よーかじって、酸っぱかったわ。でも喉乾いたときは、よーポキポキ折ってちゅーちゅーしとった」という話でお母さんと盛り上がる。
河原の土手や、雑木林のある、日当たりの良いところなどに生えていたイタドリは
みつけたもん勝ちでそれを口にすることができる。弱肉強食世界をここでgon麹は学んだ(爆)。
とくにオススメなのは赤くて、太く、まだ葉っぱが成長していないもの。
これが良く皮がはげるしやらこくて(柔らかくて)おいしい。
えー。21世紀ですが、話世界は20世紀の昭和タイムがしばし流れる……。
「他なんかおなかいれる?おなかおきた?」と聞かれるので、また目の前の魚を眺める……。
ここ、美人亭には、メニューはない。
お母さんの説明でわかるとおり、突き出しやツマミは
カウンターに置かれている大皿料理の中から選ぶスタイル。
ネタケースにある魚は、煮るなり焼くなり、自分の好みの調理してくれる。
「ほんだら、鯛のお頭を塩焼きにして!」
鯛の頭。一個しか残っていないのみて、オーダー。
それを聞いて、座敷にいた先客(たぶん観光客)が「あーこっちも」という声があがる。
「ごめんな。ひとつしかないねん」おかあさん苦笑で伝える。
残念そうなお客さん。しめしめ顔のgon麹。
そうです。みつけたもん勝ち、早いもん勝ち、弱肉強食なんです、何事も(爆)。
「ちゃんと目のまわり食べて、頭よーならんと」とほじくってると
「そうや試験でええ点数とらんといかんな」とお母さんの言葉。
σ(∧_∧;)σ(∧_∧;)σ(∧_∧;)
お……おかあさん。もしや大学生とおもっとるんか?
d=====( ̄∇ ̄*)bイエーイd(* ̄∇ ̄)=====b
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ま、若いとみられてるんなら、えええええってことで♪
いんげんといりこの和え物。
瀬戸内の誇る! 伊吹島のいりこ。カタクチ鰯のちっこいのがナイスな歯ごたえ。
醤油や鰹ではだせないいりこのやさしい味はこれぞ瀬戸内海の味♪と胸はれる。
(つくってるのはお母さん達)
「フライもおいしんやで。揚げたて食べたら」とだしてくれたのは
かますの天ぷら。
刺身で食べたことはあるけれど、かますの天ぷらはどなんやろーと思いつつも
ぷっくりした天ぷらに目で納得。
サクっとした衣のなかはカマスのぷりっとした白身がいい具合。
むしゃむしゃとかぶりつく、瀬戸内魚。
う〜ん。お腹いっぱい。
「もーお腹おきたやろ」とお母さんも満足そう。
ちぃっと食べ過ぎなんだけど(^_^;)……ま、いっか。
笑顔が素敵なお母さん二人が切り盛りする美人亭。
おいしいもん食べて、みんな笑顔美人になれる店。
店名の由来は……
一度訪れてみればよくわかる。
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DATA)
店名:美人亭
住所:香川県高松市瓦町2-2-10
電話:087-861-0275
営業:17:00~22:00
休 :日祝
備考:太田和彦氏の居酒屋紀行でも紹介されてお店。ちなみにやきとりはない(爆)