噂にたがわぬ……
そんな話を耳にしながら、いつも本屋で手にとり、
パラパラとめくっただけの自分がうらめしく思う今朝。
久々に一気読みできた世界だった。
高田郁の『八朔の雪』。
上方出身の主人公、澪の料理を中心にお江戸の世界を体感できる物語は
自分のなかで和製版ハリー・ポッターと感じたほど。
それくらい、読み出すと頁が止まらない。
お江戸神田の御台所町、現在の東京都千代田区外神田、JR御茶ノ水駅近の蕎麦屋・つる家で腕を振るう澪。
このつる家が今、現在にあったら……間違いなく通う!(^0^;)/
gon麹、言わずとしれた食いしん坊なので、おいしい食にはめっぽう弱い。
おいしい食べ物が登場する話にも目がなく、活字で描写されている料理を頭の中で反芻させながら、漂ってくる香りや鍋の音、湯気の湿感、美しい彩りなどを想像すると
間違いなく……お腹の虫は吠えはじめる。
主人公の澪は幼い頃に水害で両親を失い、その後、料理屋・天満一兆庵の女将・お芳に拾われるところから澪の人生は動き出す。
澪がもつ天性の味覚の鋭さを見込まれ、追い回しを終え、料理の修業が始まろうとした矢先、一兆庵は焼失。その後、江戸にでてきても知り合いもいなく、お芳とともにその日暮らしをしていたところ、ひょんなご縁でつる家の主、種市に見込まれ、奉公を始めた。
食文化の違いに苦しみつつも、周囲の温かな人たちに助けられ、やがて江戸の人にも受け入れられる澪の味を作りだしていく。
しかし、これも運なのか、次々と澪は不運に見舞われるが、
それでも健気にまっすぐに生きる澪の姿は架空の人物ながら
お腹の虫と共についつい応援したくなる。
『八朔の雪』で紹介された出汁がらの鰹節を利用し、鷹の爪でアクセントをつけた「ぴりから鰹田麩」や昆布と鰹の両方のうま味を活かした「とろとろ茶椀蒸し」、「ひんやり心太」「ほっこり酒粕汁」など澪の作る料理はどれも魅力的。
しかも文庫本の最後には澪レシピもついていて、
料理ヘタのgon麹でもついその気になってしまう。
もちろんどれも酒の肴にピッタリ。
酒呑みとしてはくぅううう♪たまらんもの。
さ、今でている澪シリーズ(みおつくし料理帖)2冊。
本屋の開店と共に間違いなくGET予定になりそうだ。
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