師走の来る前に・・・
狭い路地にぎっしり並んだ飲ん処。
ひとつひとつのブースには
おなじみさんがいつもの席に座っております。
そんな様子を左右にみつつ、奥へ。
「お!gonちゃんいらっしゃーい」と迎えてくれたのは
なだ一のおねーちゃん。
渋谷のなだ一のおでんは有名。
寒い冬にはもってこいの材料です。
そのおでんをつつきつつ、
どうしても食べたかったのが・・・コレ!
たこの卵。別名海藤花(かいとうげ)と呼ばれるもので・・・
お寿司屋さんのネタに見ることはありますね。
写真では黄色の液体のなかになにかある・・・としかうつっていませんが・・・
これ、お箸でもちあげると藤の花のように房がそれぞれついており、
ぷちぷちとした食感です。
房の中から出てくる旨味はかなり濃厚で・・・
舌の付け根に直撃します。
日本酒に合うなーとうなずく一品。
以前、「こんなのあるぞー」と酒友タコさんよりいただいた画像で
いつかは!と思っていた一皿でした。
グツグツ茹でるおでん、海藤花をお供にしたのは
日本酒の『往馬』。奈良の菊司醸造㈱のお酒です。
創業は宝永2年、1705年とかなり古く、場所はイコマとよむくらい奈良の生駒地方にあります。
生駒山系の天然水である井戸水を仕込み水に使用し、軟水。
でも軟水ながらろ過せずそのまま使用しているため、かなり水の旨みが強く残っています。
蔵でつくられているお酒はどれも手間を惜しまぬ造り。
なかでも上槽は全て昔ながらの木槽で搾り。
この『往馬』も木槽搾りでした。
さらに40%から55%精米歩合の大吟醸・吟醸・純米吟醸は全て袋吊り・斗瓶取りを行っているそうです。
いいなー。みたいなー。
蔵いきたいなー。
『奈良県産米』を60%まで磨き上げた純米酒であるので、
爽やかな立ち香に、ふくよかなで穏やかな旨みがあります。
この『往馬』。人肌ぬるめ燗が一番美味しく感じます。
常温だと舌の中央で味がせきとめられたように消えてしまい、モノ足らない。
それが人肌ぬるめだとその壁がすぅーっと消え・・・
お米のうるわしい甘味が喉奥へ流れてきます。
優しい波は口のなかで・・・・やさしく渦をまき・・・消える。
まるで冬のひだまりのような感じです。
ということは・・・飲みやすく、危ない酒でもあるので・・・・・(^_^;)
今回は(爆)気をつけていただきました。
もうひとつ、気になる一皿をみつけ、注文。
歯鰹の刺身。
歯鰹は普通の鰹とはことなり、鋭い犬歯をもっている鰹です。
この犬歯で小魚にカブリと噛みつくどう猛さをもつ鰹。
噛まれたくないですね・・・。食べるのはいいけれど。
荒々しい性格なので、身も締まり、脂ものった美味しい鰹なのだそうです。
これまたお酒に合う一皿。
入口のドアにうごめく影をみつつ・・・おでんの音をききながら
しばしほっくり。
慌ただしい師走の足音が聞こえてきそうです。
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なだ一
住所:渋谷区渋谷1-25-10
電話:03-3409-8773
営: 18:00~24:00(最終入店23:00)
休:日祝
席:8席
備考:おでんは200円~