ゴン麹 酔いどれ散歩千鳥足 <野望と無謀>

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冥利に尽きるとはこのことである。

陽が長くなった今。
夕暮れどきとは何時ぞ!?という疑問も残るなか、18時が近づくとソワソワするのは
どの季節も同じ。
自宅であろうと旅先であろうと変わらない。
さっとシャワーで汗を流してこざっぱりしてから素足にサンダルをひっかけて
外に出ればお日様は西の空を茜色に染め、頭の上の空は深い夜の緞帳がおりてきた。
目指すは旨いもんがある居酒屋である。

博多天神。久しぶりにお邪魔したのは『さきと』。
食いしん坊の誰もが絶賛する場所である。
店名はいぶし銀のご主人の故郷である長崎の「崎戸(さきと)島」からとったものだ。
とにかくこちらはカウンターのみというスタイルで、予約しないと十中八九座れない。
運がよければ、開店時間と同時にのぞくと「大丈夫ですよ」といわれる場合もあるが、まず無理だ。
とにかくこちらの良さといったら、食いしん坊も呑み助も惑わしてしまう料理に酒である。
特に、崎戸や玄海から入れる魚系は目の前にだされた瞬間、溜息が出る。



刺身となってもなお輝くという生サバの新鮮さ。
肉厚でありつつ、歯が身を噛んだ瞬間、パ〜んと旨味が弾けだす。
脳内はドーパミンが元気になりエンジン全開!
この瞬間である。この瞬間を求めて、居酒屋を目指していっても大げさではない。



博多ということで、まずオーダーしたのは白糸酒造さんの『田中六五』。

タナカロクジュウゴと読む。
鉄人28号みたいだ〜なあんていうと、カウンター内のご主人の目がキラリ!
おっとっと。おとなしくいただかねば。

田中杜氏が醸したこの子、以前お蔵にお邪魔したとき、見かけなかったのが悔やまれるが
今、呑めてるからALL OK♪
一等米の山田錦のみ使うという贅沢さ。精米歩合は65%。
「山田錦」の生産高として福岡糸島が全国2位ということもあるんだろうか、今度お会いできるときじっくりお話お聞きしたい1本である。
たっぷりとした米の旨味のなかにいいあんばいに感じる引き締まった酸。
杯を重ねるとその味がより飲みやすく体になじんでくる。



若波酒造さんの『若波』はちょっとお気に入りになった子だ。
ラベルもかわいい。
女性っぽいな〜と思っていたら
「ここ杜氏さんは女性ですよ。今村友香杜氏というんです」と奥様に教えていただいた。
山田錦100%とこちらも贅沢さたっぷり。
それでいながら、さきほどの『田中六五』と比べると
優しい甘さが余韻に残り、思わず「かわいい」と顔を知らぬ今村杜氏に恋しそうな感じに。



白海老の素揚げはまるごとポリポリいける。
細い髭も目ん玉も尾っぽもそのまんまポリポリ食べれば、カルシウム補給大成功。



こちらの『三井の壽』も地元の井上合名会社の子である。
筑後川流域の井戸水が豊富な土地で、元は「井の寿」という酒名だったが
地名である三井郡にちなんで今の『三井の寿』となったそうだ。
口あたりはふわっと軽くてきれいな仕上がり。
沙羅の花のように気高い表情の中に爽やかさを感じる。

ここまで地元の子をいただいてきたが、どの子もおおらかをもちつつも
しっかり土地や蔵の風土や気質を纏い帯できちんと結んだような味わいは酒飲みを愉しませてくれる。

それにしても福岡は蔵の数も多いんじゃないだろうか。
と、思ってちょっと調べてみた。

1位:「福岡県」 0.126蔵
2位:「佐賀県」 0.122蔵
3位:「滋賀県」 0.119蔵
4位:「奈良県」 0.108蔵
5位:「京都府」 0.099蔵
6位:「兵庫県」 0.098蔵
7位:「福井県」 0.093蔵
8位:「埼玉県」 0.092蔵
9位:「石川県」 0.086蔵
10位:「愛媛県」 0.084蔵

全国に点在する日本酒の酒蔵で酒造りを行っている稼働酒蔵は約1200蔵程度。
都道府県別と都市別の酒蔵密集度を調べるために「酒蔵密度」を算出。
方法は各都道府県の面積を基準にして100キロ平方メートルの面積に存在する酒蔵数、
都市別の酒蔵密集度は各都市の面積を基準にして1キロ平方メートルの面積に存在する酒蔵数を
「酒蔵密度」として算出したものらしい。
http://tasyusouron.jugem.jp/?eid=32(多酒創論HPより)

これは意外である。
新潟や長野、兵庫という印象が強かったが福岡県が最も酒蔵が密集しているゾーンなのだ。
2位の佐賀県は隣接県。いかにこの辺りの土地は人も暮らしやすく、
酒米を育てやすく酒作りに適した地なんだろう。



「この子も面白いですよ」と注いでくれたのは『繁桝 博多 一本〆』。
高橋商店さんの子だ。
この子は以前お邪魔したときも最後におすすめとしていただいた。
「以前もこの子、おすすめしていただきました」というと、ほんのり頬があがるご主人。
お祝いなどの席に持っていくと喜ばれる縁起酒なんだということを教えてもらった記憶がよみがえる。
穏やかな香りで滑らかな口当たり。
上質な和菓子のようなほどよい甘さがある。
じわんと広がるコクと旨味がありつつも、
すっきりと軽やかに走り抜ける喉ごしさはたまらんたまらん。

本当に『さきと』の時間は悶えさせるものが次々と現れる。
隣の客はよく柿食う客だ……じゃなく!
お隣さんが食べているものや、そのむこうの人が注文したものがものすごーく気になってしまうくらい
どのメニューも食べたいものばかり。

気になるものはとりあえず「あれ、何ですか?」と聞いて、注文する。
このスタイルで間違いなく美味しいもんは目の前にでてくる。



カウンター上のトレーにあげられたメンチカツも定番メニュー。
衣のなかに見え隠れするカツはギュっとしまって、食いしん坊に食べられるのを
いまかいまかと順番待ちだ。

半分は速攻口の中へ。
もう半分は最後までとっておいて、最後の〆にいただく。
美味しいもんは先に食べる派も残しておく派
どっちもできるのがありがたい。

うまい豆腐にうまいトマトと直球すぎるネーミングのメニューは
「うまいもんはうまいんだ」というご主人の意気込みが見えておもしろい。

わずかカウンター12席。
もっといろいろご主人や奥さんと会話したいが、
なんせ人気店。続々と客が入店するので、のんびりできないのも事実。
タイミングを逃すと自分の注文をしそこなう!ということもある。
それでもこちらを気にしてくれてチラチラ見てくれるので
そのときを逃さずに「○○ください」と注文。
「はいよ」と返事いただけたら、無事オーダーはとおった証。

開店から1時間。誰も席を立つものはいない。
その間にも電話は鳴りまくり奥さんが「今日は満席、ごめんなさいね」とお断り。
本当、みんな大好きで入りたい人気店である。

のんびりじっくりと楽しい時間をこちらで過ごせるのは
酒呑み&食いしん坊としての冥利に尽きる。





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DATA)
店名:さきと
住所:福岡市中央区舞鶴2-8-25 1F
電話:092-781-8778
営業:18:00~23:00
休 :日
備考:店内禁煙。12席しかないので、予約がのぞましい。できれば開店前までが確実かも。お料理お酒もいいが、もりつけられるお皿や小皿、グラスなどにもこだわりがあり。それもぜひ楽しんで♪









# by gon1442 | 2012-05-23 15:13 | 日本:お店 | Comments(2)

してやったり顔はほんまもん

今!?話題のうどん県生まれのgon麹。
麺というとやはり‘うどん’を一番に選ぶ。
生まれてから小麦に囲まれて育ったんだからそうなるのはあたり前。
だからおいしいうどん屋さんがあると、ついつい足を運んでズルズルとすする。
さて、今回お邪魔したのはうどん屋さん……じゃなく、そば屋。(おい!冒頭のフリはどうした!)

うどん子のgon麹。実は蕎麦は苦手な分野。
うどん県でそば屋に入ると十中八九、残念な結果が多かったからである。
灰色の麺は粘度を食べているような味がして、
しかめっ面していたこともあったようななかったような……。
そんな感じだから、蕎麦屋とみると敬遠気味で通り過ぎていた。
しかし! 東京で生活を始めてその感覚は180度ガラリと変わる。
犬も歩けば棒に当たる!の如く、おいしい蕎麦屋が歩けば当たる。



東十条にあるそば笑福大むらはそんなおいしい蕎麦屋のひとつ。



おいしい蕎麦が食べたいな〜と思うとひょこひょっと出かける。
蕎麦も旨いがこちらの名物は!



ふわふわとろりの卵焼き。ヽ( ̄ ̄∇ ̄ ̄)ノ
そして、ご亭主自ら酒屋で選んでくる日本酒のラインナップである。
今回は卵焼きと一緒にいただきたい!ということで



京都伏見の増田徳兵衛商店さんの子『月の桂 琥珀光』。
お初にお目にかかるでござんす〜と蛇の目の大きい!効き猪口をすする。
爽快な涼しさが吹く。
そして香り高く、京都酒のもつコクが豊かに広がる。
定規で引いたような香りの縦のライン。この感覚ってあの酒米に似てるな〜と
表示ラベルをみるとそこにあったのはその酒米の名「滋賀県産玉栄」。


最近、滋賀県産玉栄とよく会うね〜と眺めてぐびり。
ふるふる卵焼きを半分、舌の上にのっけて口のなかで圧をかければ
ドゥウウウワンととろける半熟の波〜があふれる。
うまあああいいい!と騒いでつっついていると
「1ヶ月に100個しか生まないのでなかなか手に入らないんです。一昨日入荷したばかり。ナイスタイミング」とご主人のしてやったり顔。
今日の卵焼きの卵は福島県のマーさんの鶏の卵でつくった希少な卵焼き。
食いしん坊の嗅覚アンテナってすごいよね〜♪(はるな愛ちゃん風)

節分の恵方巻きのような大きなサイズはつっついてもつっついても小さくならない。
うれしいような困ったような。
こういうときはお約束のd( ̄  ̄) 「お酒、もう一杯」



千葉県の東灘醸造さんの「鳴海 純米吟醸 生原酒」。
この子もお初さん。
東灘醸造のある外房勝浦の鳴海神社の名にちなんだ酒銘ということで
「なるか」という。(なるみと呼んでた(>▽<;; アセアセ)

「果実のような甘さがあります」というご主人の言葉どおり、
香りは洋梨のような華やかさがある。そして舌の上でほのかに感じる炭酸刺激。
細かい小さい気泡がプチプチとステップ踏んでる。
まあるく感じる酒肌というべきか、うら若き乙女の柔肌を撫でている感じ。
喉奥に消えた瞬間、マジックのようにスッとキレる後味の余韻は実直だ。
「開栓したてはもっとシュワシュワ感がすごかったんですけれど、今の具合のほうがお料理とのバランスもいいでしょうね。うちの蕎麦とも♪」
と、これまたしてやったりのご主人。
こういわれちゃ〜ねと注文したのは


豚せいろ。
ここ数年美味しい豚とのご縁深き、gon麹(自分が豚とはいっとらん)。
今回の豚は鹿児島の輝北豚。
温かいつけ出汁のなかで輝北豚の柔らかくてジューシーな肉質がほどけだしている。



豚の深いコクと旨みを蕎麦にからめて
ズズズズウウウウズズ。
いやあ、旨い。音をたてて食べられることがマナー違反でない日本麺の世界って最高だ。
食べれば食べるほど、すすればすするほど豚の味わいがどんどん躍動的に感じられる。
気がつくと目の前のせいろの上の蕎麦の量が半分消えてた。

常温に戻りつつある『鳴海』を呑みつつ、豚せいろをすする。
つけ出汁の温度は人肌くらいだろう。
熱すぎない出汁が麺の輪郭をぼやけさせず、かつ強調もさせない。
麺も出汁をしっかりと纏っている。
この対等ともいうべきバランスのよさが、豚せいろの味をさらに広げているのだ。

もちろん『鳴海』との相性もGOOD!
ご主人のしてやったり顔はほんまもん。
次は何を頼もうかな……d=====( ̄∇ ̄*)bイエーイd(* ̄∇ ̄)=====b



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撮影協力:そば笑福大むら






# by gon1442 | 2012-05-23 10:55 | 日本:お店 | Comments(0)

青々しい香りをアテに

香りものはこの世の五万とあるが、
食べられる香りもの=香草の王者といえば



パクチーだろう。
実は日本名では「コエンドロ」というらしいが、
いまではほとんど使われていない。
日本の鎖国時代の前に入っていたポルトガル語=coentroから入った古い言葉のようだ。
パクチーというと「カメムシソウ」という人も少なくない。
その理由は独特の香りだと思うが、いかんせんgon麹、カメムシをつぶした苦い思い出があるけれども
そのカメムシとパクチが同じ匂いと思えない人種である (^ m^ )。

パクチーは香辛料として、果実や葉を乾燥させた「コリアンダー」として料理に使われていることが多かったが、エスニックブームと共に生のままの葉を食べ方が浸透し、好きか嫌いかという賛否両論の食材の代表へと昇格した。
中国語発音で「シャンツァイ(香草)」という場所もある。
なんにせよ、どこの国でもパクチーは香る存在であるということだ。

このパクチー。時々禁断症状のように無性に食べたくなる。
もはや中毒といってもおおげさではない。
そのため、パクチだけを求めてお店をはしご♪するという迷走をすることもある。

「パクチーはどうしますか?」と聞かれたものなら「大盛りで!」「追加で!」と即返答。
丼に山盛りのパクチーがきたら勝手に体が小躍り。それくらい夢中の食材。

どうしてここまで魅力的なのか〜まだまだ奥深き「パクチー」。
今回お邪魔したお店でも「パクチー」を注文。
中丼にこんもりもられた姿は狂喜乱舞ものだった。

タイのシンハービールを飲みつつパクチーをひとつまみ。
この組み合わせ、意外といける味。
パクチーの青々しい香りが陽炎のように口のなかでいっぱいになったところに
シンハーで喉奥へ。
癖になる〜!!!!



ガイパッキンラーカオにもふりかけて、まぜまぜご飯、ねこまんま。
鶏肉の生姜炒めがパクチーと相性バッチリ。
それにしてもタイのお料理って言葉の意味さえわかっていればどんな料理かすぐわかる。
ガイ(鶏肉)でパッ(炒め)でキン(生姜)でラーカオ(かけごはん)とそのまんま。
日本でいえば卵かけご飯というパターン表記に似ている d(^^*)。

生姜がピリッと効いているので体温上昇。
冷え性にはもってこい。

「パクチー」一皿100円。 この量でこの値段は▼ω▼ お得なり!

パクチー禁断症状に苦しむパクチー愛好家の皆様、ぜひ一度お試しあれ。

そういえば、香りの世界で「匂い」と「薫る」という表現があり、誰もが認めるのは「薫る」という表記となり「匂い」は認めない人もいるという話が酒の席での話題になったっけ。

パクチーは……「匂い」なんだろうな。きっと。


追伸:

カウンターだけという店内。バー椅子にはシンハーマークがくっきり!
タイ好き、シンハー好き、タイガース好き♪の皆様、ここ美味しい空間でっせ〜♪
(○゚ε^○) (○゚ε^○) (○゚ε^○) (○゚ε^○) (○゚ε^○) (○゚ε^○)



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DATA)
店名:ティーヌン・ダイニング 渋谷道玄坂店
住所:渋谷区道玄坂1丁目5-5
電話:03-5459-2550 ‎
備考:独特のこのイラストのあふれるお店のデザインはコンランショップ・カフェをデザインした加田氏プロデュースによるもの。味付けは本格的タイ料理店だ。ポップで可愛い内装の店内は女性のウケもいい。本場タイのホテルで活躍していたシェフが作る豊富なメニューはどれもオススメ。なんと裏メニューもあるという噂。リーズナブルにおいしいタイ料理をいただきたいときは是非。


# by gon1442 | 2012-05-22 15:18 | 世界:肴(アテ) | Comments(0)

ぶらり下車の先で出会えるものは……

地下鉄に乗ってコトコトコト……。
降りたことのない駅をみるとつい下車したくなる。
好奇心旺盛な酒呑みには
ここにはどんな美味しいもんがあるのだろうと(≧∇≦)ゞ探求したくなる病があるもんだ。
さて、今回お邪魔したのもそんなお店のひとつ。
木目がなんともいい味だしてる外壁の立ち飲み処、『皆吉』は
丸いテーブルと壁のカウンターのみというシンプルなしつらえ。
明るい照明が店内隅々まで照らし明るく、清潔感あり、
女性ひとりでも気兼ねなく立ち寄れる。
厨房内はダンディなお父さんが二名、給仕と調理をおこなっている。



飲み物食べ物すべて400円。

ビールで喉を潤わせ、泡の髭をつけたままカウンター上にあるおかずを幾つか注文。
おかずはその日その日につくられているおばんざい風の大皿がメインとなる。
(もちろん壁には定番メニューもあり、それもオーダー可能)

「十四代」「醸し人九平次」「田酒」「南」「上喜元」など
酒呑みが喜ぶ酒の名前の札がかかった壁は思わずニンマリ。
「お酒ください」とお願いすると、
入荷されているお酒名を教えてくれる。

カウンター上には焼酎の瓶もいくつか並ぶ。
有名どころもあれば、あれ?この子知らないという子もいる。
そんな子達からチョイスしたのは
天星酒造の黒麹仕込『ゆうのこころ』、お湯割りで。

『ゆうのこころ』は原料芋に特徴があるそうで、
造りのときにでた焼酎滓をYM菌で処理してつくった有機肥料で
栽培したサツマイモを使用しているらしい。
そして霧島山系の伏流水を用い黒麹で醸し、蒸留後タンクで貯蔵熟成。
天星酒造さんの熟成技術は酒呑み世界では有名である。
隠れた古酒があるのだ!という伝説さえあるほど。
そんな蔵で生まれ育った子だけあって
ふくよかなやさしい甘さがしっかりと感じられる。
芋の香りはどちらかというとおしとやかな感じ。
コクもありかつ、すっきりとしている。
キレがあるので喉越しがGOOD! 身体のなかへスルスルと染み込んでいくε=(/*~▽)/



丸ノ内線 茗荷谷駅より徒歩30秒という好立地。
ぶらり下車にもってこいの一軒である。



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DATA)
店名:立飲処 皆吉
住所:文京区小日向4-6-3 MUビル 1F
電話:03-3946-7751
営業:月~金 12:00~13:30 17:30~23:00 土 17:30~22:00
休 :日祝
備考:オール400円。注文時に支払うシステム。ランチは500円というワンコインでお得感ある定食&丼がメイン。立ち飲みといっても簡易椅子が幾つかあるので、座って過ごすことも可能。















# by gon1442 | 2012-05-21 15:00 | 日本:お店 | Comments(0)

旨ぃいいい! スナック感覚のアテに大興奮! 

サクサクサクと軽快に音が鳴る。



青森のニンニクを大葉で包んであげた『ニンニクの大葉包み揚』。
大葉がカリっと揚がったポテトチップスのようにパリパリで
包まれているニンニクはほっこりだ。

まずは素揚げのまんま。
口の周りに大葉の衣カスをつけながらニンニクを噛めば
蒸し上げた芋のような甘い香りが鼻の中を通り抜けていく。
しかも衣も重すぎず、ちょうどいい。

これは!旨い! 旨すぎるぞおお!

暑い夏日に生(ビール)を片手にコイツをつまめたら幸せだろう。
肌寒いときは芋焼酎のお湯割りをちびちびしながら、コイツを口にほうりこんだらほっこりできる。
ちょっとこじゃれたワインバーでワインやシュワワワと泡がでる子との共演もよさそうだ。

別にお酒だけじゃなくてもいい。
スナック感覚でコーラーやジンジャエール、
オレンジジュースのようなソフトドリンクもイケルはず。

食いしん坊って、こういう勘が働いて、外したことないんだよな〜 (o^v^o)エヘヘ



アーモンドナッツバターのような甘めの味噌をつけると
ニンニクのほくほく感に味噌の甘さが染み込んで
昔、祖母につくってもらった手作りおやつのようで懐かしい

一つ食べたら、もう一つ、さらにもう一つと手が伸びる。

う〜ん。これは!( ̄∀ ̄;)( ̄∀ ̄;)( ̄∀ ̄;) 
誰もが一度は手にしたことがあるあの菓子に匹敵する!?

「やめられない、止まらない、○○○○○せん♪」

今度は絶対、おかわりしよう!ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ
(カロリーはすごいけどね)





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撮影協力:木場 つちや



# by gon1442 | 2012-05-19 16:16 | 日本:;肴 | Comments(2)

終電時刻が恨めしい! 長居しすぎちゃう酔い処



こちらを訪れたのは開店当初。
2年ぶりか……。かなりのご無沙汰である。

四谷三丁目交差点より徒歩3分。
大通りに面したビルの地下にのびる階段をコツコツコツと降りていけば

ガラスばりの扉からのぞいていると若き店長と目が合った。
挨拶をして、まずはビールを注文。
カウンターと扉横のスペースの小上がりのみという店内は
おひとりさまでものんびりとくつろげる。
今夜はお酒の先輩方との待ち合わせ。
ドキドキしながらもどこか安心できるのもそんな雰囲気のおかげだろう。

待ち合わせ時刻と共に先輩方も到着。
グググっとビールでまずは「乾杯」。

日本各地のみならず海外にも飛び回る先輩方の話を肴に
つっついたお料理は旬の食材を上品な味付けに仕上げたものばかり。


先付けにいただいたのは今からが旬の地鮎。地鮎の煮浸しというべきか。


牛蒡の素揚げは山椒塩がピリッと効いている。
ポリポリといい音が口のなかで響く。
歯ごたえ十分。う〜ん、虫歯しっかり治さなくては。


角煮の煮汁を使った煮玉子が入っているポテサラはやっぱり絶品。
ジャガイモの甘さがゆんわりと波打つような甘さをもっており
ポテサラ好きにはたまらん一品!



お料理の相方にチョイスしたのは
石川県の『遊穂』にはじまり茨城の『一品』、和歌山の『奥播磨 誠保』、大分の『豊潤』(燗)、岡山の『御前酒』(燗)……。

誠保ははじめていただく子である。
香りが深く、旨さがどっぷりとある性格で、食べるようにじっくりと噛み締められる。



「これおいしいんだよ」と先輩がオーダーしたのはぶあつーい厚揚げ。
湯気がぷうんとのろしのようにたちあがっている。
熱いんだろうな!と本能で分かっているけれど、食いしん坊魂が騒ぎ、
口に半分を放りこめば! 香ばしい香りが体中に浸透すると同時に口の中が大火事小火事。
ヒーハーハーフーーフーとラマーズ法、もとい! 口のなかに空気をおくりこんで
分厚い厚揚げを冷ますこと数分。
猫舌でも食べられる熱さになって、いざ、ムギュウウと舌で押せば、ほどよい圧で跳ね返す。
お揚げに染み込んだ出汁の香ばしさに白ネギの爽やかな香りが絡んで美味でございます〜♪(古)。


そして今年はこれでもか!というほどメニューにあったら注文した蛍烏賊。
蛍烏賊と旬山草の酢味噌和えは初夏の匂いをサ〜っと身体中に流してくれる。
肉厚の蛍烏賊。時期ももうすぐ終わるかと思うとなんだか切なく、大事に噛み締めてしまう。



美味しいお料理をつっつき、先輩方の旅話に花を咲かせていただく一杯は
なぜかあっという間に盃の底が見えてしまう、これはほんと不思議である。



こちらのお料理は和食ばかりではない。
アスパラガスとキノコのマカロニグラタンなど子供も大好きなメニューも多々そろう。



鹿児島の名豚を取り寄せたベーコンは子供はもちろん、大人も目の色を変えるほど大人気。
お先にどうぞ〜といったら最後、自分の箸がつっつけるのは遠き未来となりそうなので、
慌てて箸をひょいっと伸ばしてしまう。
ギュっとひきしまったベーコン。歯で噛めばじわんと舌先に伝わる旨味に
「もう一杯おかわり〜」となみなみといっぱいだった盃はあっという間に空になった。


鳥取県の『千代むすび 生酛』。
お蔵さんが初めて挑戦した生酛造りだそうで、一年ほど蔵で寝かしておいた子。
寝かしたぶん柔らかい触感に思わずニンマリ。
いい子に育つ子なんだな〜とついつい酒呑みおっさんとして眺めてしまうほどのかわいらしさがある。
ふわんとまるでシャボン玉がゆっくりふくらむような旨味は上品かつおしとやか。
燗にしたときはその旨味が色枠がしっかりつくようにいやみなく強調する。
海でつりあげた魚をその場でさばいて、サッと湯通しし半生くらいの刺身のように
自然の甘さがたっぷりつまっている。


筍のサッと煮は春から初夏にかけての旬味。
その美味なる食材をあたりまえのようにいただける。
四季がある日本人に生まれたことに光悦をおぼえてしまうのはみんな同じだろう。



お店のオープン時に入店し気づけば閉店間近、終電すぐそこという時間帯。
カウンターやテーブルが埋まっていた店内は
自分たちの組と奥にいらっしゃる、これまた大先輩の方々の組のみ。
「酒呑みは結局こうなるのよね」という大先輩からのお言葉。

もう少しこの雰囲気を楽しみたい!
しかし終電時間は一刻一刻と迫ってくる。

くぅうう、時間が恨めしい!と苦々しく思うのはいつものことだ。



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撮影協力:たく庵















# by gon1442 | 2012-05-18 15:58 | 日本:お店 | Comments(2)

天神ど真ん中の酔い空間で酔い覚まし……♪

博多天神の一角。
屋台の列から少し外れたビルの二階にたたずむカフェバー『屋根裏獏』。

1970年創業の店内はアンティークのものがあちこちにみられ、
レトロちっくでとてもキュート。
低い天井に木の壁に床、そしてBGMに流れるJAZZ。
明るすぎない照明。
ホッとできる静かな空間が広がっている。
喧噪とした街のなかにあるとは思えないほどの居心地のよさは一見でもついつい長居してしまう。

こちらを教えてくれたのは近くの屋台で知り合った酔い酔い常連さん。
「いいところあるんだよ」とひょこひょこ千鳥足で向かうと
カウンター内のマスターとオーナーが「あら、いらっしゃい」と温かく迎えてくれる。

食べて呑んできているんですけれど、大丈夫ですか?と聞いてみると
「ごゆっくり酔いを覚ましてくださいね」とやさしくしてくれた。

ソフトドリンクを頼もうとメニューをみて注文したのは♪



アイリッシュコーヒー。
ウイスキーをベースとするホットカクテルコーヒー。
あちゃ、やっぱり呑み助はお酒の匂いをかぎとる。v( ̄∇ ̄)ニヤッ


アイリッシュコーヒーは1942年に、アイルランドの旅客機の乗客のために出されたのが最初だという。
飛行機のなかで生まれるカクテル。なんだかおしゃれ〜♪
呑み助は国境関係なくたくましぃい♪
小一時間、のんびり過ごせば、さっきまでの酔っぱらい感覚も酔い具合に落ち着く。



天神界隈のど真ん中。
少し食い呑み疲れを感じたときは
ここでjazzに包まれていくのも酔いなあ。

いい場所、教えていただいた。



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DATA)
店名:屋根裏 獏
電話:092-781-7597
住所:福岡市中央区天神3-4-14
営業:11:00~24:00
URL :http://www.artspacebaku.net/wiki/
備考:隣にアートスペースがあり、個展などを開催されている。



# by gon1442 | 2012-05-16 16:13 | 日本:リキュール | Comments(2)

そうだ!今宵の予定は今宵堂の酒器展へ

立夏もすぎた日本。
25度近く気温があがる夏日も増えはじめた。
つい先日まで寒い寒いと引きこもりだったgon麹も
冬眠から覚めた熊のように(パンダじゃないよ♪)
ノシノシとお目当てのものを探して出没する時期となる。

さて今回、目撃されたのは……



古都、京都。
三条富小路の一角にオープンしている『BAR 2C2H5OH + 2CO2』。
今宵堂 さんの初夏の酒器展である。
小路の路地奥にこっそりたたずむBARの目印は通りにかかった蒼き暖簾。
暖簾をくぐり奥へ進むとモノトーン調のしゃれたギャラリーが目にはいる。



「いらっしゃいませ」とかわいらしい2人のバーテンダーがお出迎え。
今宵堂の連さんとりえさんのコスプレ!?
もとい、BARの正装姿は貴重だ。

今回展示されているのはもちろん酒器。
BARに関係あるワードを名にもつ子たちがパリコレのモデルなみに勢揃い。
おしゃれなBARにあまりご縁のないgon麹。
それでも「ハイボール」など聞き覚えのある単語の酒器もあり、
そういう子をみつけてははしゃいでしまう。※展示会ではしゃいではいけません(;´▽`A)



こういう子もいて、生唾ごっくん! じぃいいっとガン見。
理想の形、色合いに指でツンツン。※展示会でツンツンはやめましょう(;´▽`A)
手のひらにとるとすっぽりとおさまる美乳にニンマリ顔がとまらない……。

「大虎用もありますよ」と連さんが指をさしたのは



白地に織部の緑がのびる子「バンブーグラス」。
由来をよみつつ、手にとると
笹奥に潜む酔いどれパンダがこちらをのぞいていそうだ。


盃と盃を赤い糸で結んだ子もいる。
恋人と一緒に過ごすとき、こういうアイテムがあると楽しいだろうな……。
恋する乙女、gon麹!といいたいが
ここだけの話「これ首から下げたら、二つ盃を持ち歩けるな〜うふ♪(* ̄ー ̄)v」と見ていた。
せっかくの乙女の演出、色気も酒呑みには通用しない……らしい。

酒器を愛でるのは楽しい。そしてその楽しさをさらに倍増してくれるのは



お酒ターイム!
いただいたのは島根県、板倉酒造さんの「天穏 生酛 無濾過生原酒」。
「まだ封を開けたばかりなんですけれど……」と注いでくれは盃は
今回も展示されているセブン・スピアーズ。

トクトクと軽やかな音をたてるたびに室内に甘い香りが漂う。
フルーティーで豊かな旨味でジューシー。
まるで生果汁100%の飴をなめているような余韻が口のなかでいつまでも続く。
「美味しい〜」と2秒で飲み干してしまい、ちと残念。
(あぁぁ、終わっちゃった)と寂しそうな顔をしていたのだろう。
「gonさん、うちのBARは一杯までですからね(苦笑)」と、連さんが空になった盃にこっそり追加を注いでくれた。



今度はゆっくりチビチビチビリとなめるようにいただく。
口のなかで温度をあげる。
香りに厚みが増え、まるで果汁園の中を歩いているような感じ。
しかもくどくなく、薫る風が綺麗に体のなかをすぅううっと通り、穴という穴から抜けていく♪
(きっと今、いい香りしてるんだろうな〜)

BARの隣の離れは雰囲気をガラリと変えた和風ギャラリー。
もちろんこちらにも今宵堂さんの酒器達。



見事な床の間もあり、しばし正座。
お軸もなかなか粋でござる!



月を見つつ、月を手にとり酒を注げば、これぞまさしく月見酒♪
今宵堂さんの洒落た遊びにもう脱帽。

「お気に入りの子がいたら手にとってください」という言葉に
全部手にとってしまうくらい、どの盃も素敵。
すべての子に「うちくる?」と話しかけて「いくいく」という返事をまつgon麹。
使っても使ってもお金が増えるお財布が欲しい〜(心の叫び)。

どの子もうちにきて欲しい!と指をくわえながら今回、うちの子に決定したのは


ソルティ・デビル。
「マルガリータにソルティ・ドッグ、カクテル縁に塩を塗るスノースタイル。日本でも角打ちが誇る呑み方のひとつ…(中略)……今宵、寂しく塩を嘗めれば、枡々しょっぱいひとり旅」(今宵堂さん展示紹介より抜粋)


セブン・スピアーズ。
先ほどお酒を注いでくれた盃は手にしっくりとして、一目ぼれ。七本槍の蔵でつくられている田の土をつかって焼かれた盃。どこか野武士っぽい空気感があるところはもうメロメロ。

そして、京都といえば!


5or6。
夏の五山の送り火。
実際に見たことはないが、いつかこの送り火を観にいきたいスナフキンgon。
その夏の風物詩が盃になった。
「……大文字、妙、法、船形、左大文字、鳥居形、はて?五山のはずが六つある?今宵はちょっと洒落過ぎたか」(今宵堂さん展示紹介より抜粋)

ホクホク顔で頂戴し、他の子達には「またね」と再会を心のなかで誓う。



気づくと小一時間、すっかり長居していた。
今宵堂さんの個展、工房は本当、ついつい居付いてしまう。
それくらい心地酔い時間が流れている。



京都、三条富小路の奥のBARはまだ始まったばかり。
酒呑みの皆様、初夏の酔き日は「そうだ!京都へ行こう、今宵の予定は今宵堂 の酒器展へ」



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DATA)
『BAR 2C2H5OH + 2CO2』(今宵堂の酒器展)
住所:京都市中京区富小路通三条上ル福長町109
電話:075-213-3783
期間:20105/8〜27
時間:12:00〜19:00(最終日17:00)
休 :月
備考:土曜日は魅惑のサタデー。お酒関係のイベントがあります。本日は『酸いも甘いもこの世のうつつ』。「中野BC」の梅酒を梅の盃で楽しめる。19日は『酒と盃が再び出会う浪漫』。26日は『私お酒弱いから…H20でCO2』。詳しい内容はぜひ展示場でお確かめあれ。
URL:http://www.koyoido.com/








# by gon1442 | 2012-05-12 10:15 | 日本:イベント | Comments(0)

ご縁ある人生

縁。
人はひとりでは生きていけない。
命はひとりで生まれるものではない。
また消えるものでもない。



数々のご縁に導かれ、今の自分がいる。
いいご縁もあれば、そうでないご縁もある。
すべて自分が選んだ、招いたご縁である。

どのご縁も自分の記憶、細胞、生きてきた証の印であり、
これから歩む未来への階段となっているものだ。

だからこそ今あるご縁は大事にしたい。
ご縁ある人が寂しいとき、悲しいときは励まし見守りたい。
ご縁ある人が嬉しいとき、幸せなときは笑って喜びたい。

言葉がみつからないときは言葉はいらない。
心でその人のことを思っているだけでいい。

言葉がみつかったときは相手を見てしっかり伝えたい。
大丈夫、私はここにいるからね……と。

普段はうるさいくらい騒ぐ相手でも
普段はあまり話をしない相手でも
ご縁がある人。

ひとつひとつきちんと紡ぎ、未来へしっかりとつなげていくのが「縁」である。

ご縁のおかげで今の自分がいる。
ご縁の導きで自分は生きてきた。

家族も友人も知人も恋人も仕事先の人たちも皆……
垣根のない「縁」でつながったコスモポリタンである。

だから今宵もご縁に感謝し祈る。
ご縁ある人たちがみんな健やかに眠れることを。
明日はまた元気に出会えることを。



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DATA)
酒名:船尾灯(ともしび)
蔵名:角星(かくぼし)/宮城県気仙沼
URL :http://kakuboshi.shop-pro.jp/
備考:昨年の東日本大震災の大津波の被害を免れた熟成タンクの日本酒を「これからもこの地で生きる人たちの希望の光になりたい」と斎藤嘉一郎社長が復興に向けた第一歩として出荷した子である。辛口といわれているが、米のもつ旨さが線路のレールのようにまっすぐのびていく。旨味を主張するのに後口は爽やかにさっぱりとしたキレ。東北男子のイケメンぶりを楽しめる子だ。燗にするとイケメンぶりに拍車がかかる。酒の中にとけ込んでいる米の甘味と穏やかな香りがバランスよく手をつないでゆるゆると体のなかを流れていく。まるで明け方の海の浜辺で感じる優しいさざ波のような感じだ。一人で飲むのもいい。でもこの子はご縁ある人と共に飲むのがいい。人が心ににもつ優しさや愛情、温かさを身近に感じるはずだから……


# by gon1442 | 2012-05-09 23:54 | 本人:ひとりごと | Comments(0)

5月8日〜父との再会〜

20代半ばのことである。
東京暮らし2、3年目の頃だろう。
住んでいた家は引っ越し2つ目のとこだった。



10数年前の5月8日の早朝、携帯に起こされた。
弟からだった。
さっき眠りについたばかりだったので、機嫌が悪かったのも覚えている。
携帯にでた瞬間「なんなん!」と叫ぼうとしたとき

「おとんがヤバい。はよ帰ってこい」という弟の暗い声が耳に届いた。
半分寝ぼけている脳裏に父親の姿が浮かぶ。
何をいってるんだ?という思考が頭のなかでどよよんとしていた。
「ほんまにヤバいんや。はよこい」と弟が携帯のむこうで再び叫んでいた。
まだ理解できていない自分がいるが、はよ帰ってこいという弟の指示どおり、鞄の中に財布と身の回りのものを詰め込んで、最寄り駅まで走った記憶がある。

次に記憶があるのは新幹線の中だ。
新幹線の席でぼぉおっと外を眺めていた。
窓の外は西から東へ風景が流れている。
いつもならわくわくして外の様子を観察しているが、そのときはただの色のついた物体が流れているだけだった。
「おとんがヤバい」ということにまだ逆らおうとしていたのだろう。
いや、きっと大丈夫、帰宅したら照れくさそうに笑う父がいるに違いないと思いこんでいた。

駅からタクシーを飛ばして家に近づいたとき、いつもの参道がどこか歪んでいるように見えた。
違和感を感じつつ門をくぐると隣近所のおばさんがしきりに話しかけてくる。
でもその声は届かず、ひたすら自分の家で父の姿を探した。
「そっちちゃう、おとうさんこっちやで」というご近所さんの声がかかっても
足は父の部屋へと向かった。
そこには朝起きたまんまの父の布団があったが、父の姿はない。
なんだ、大丈夫やんか。ほんま脅かすんやけん、弟は!と思ったのも覚えている。

次に記憶があるのは親戚の叔父に呼ばれて父の部屋から呼び戻されたときだ。
「なんしよんな、お父さんはこっちなんやで」といわれ、連れていかれたのは母屋の一室。
そこに父が白い服を着て横になっていた。
狭い部屋のど真ん中に大きな父が眠っていた。
寝よるだけやん……と思いつつも段々と現実がほうけた頭に浸食してくる。

「父さん?」
いつものように手を触ろうとした瞬間、人が発する生気がないことに気づいた。
「なん寝よん?」と手を握るが、肌は冷たく硬い。
いくら触っても太い指が握り返してくることはなく、温かさが戻ることはなかった。

5月8日。父は他界した。



今日は父の命日の日だ。
ここ数年、5月に実家に戻ることは少なく、
GWに帰省して命日前に実家を離れることが多かった。
どこか命日を避けていた。

それは臨終に間に合わなかったという負い目と寂しさ。
そしていまだ父がいなくなったということを理解しようとしない頭がどこかにあるからだろう。
家のどこを探しても父はどこにもなく、思い出の場所を訪れてもそれは同じだ。
「いないのだ」と思っていても「いない」という方程式にはなっていなかった。
そんなこんなで過ごしてきた今年、
「おとんの命日にはそっちにおるけん」と母に電話した。
母は一言「わかった」といい
帰省すると笑顔で迎えてくれた。

そして今朝、門と玄関の掃除をした後、父の墓参りに母と共に出かけた。
庭で咲いているクリスマスローズの白と紫を数輪摘んで、やかんに水をたっぷりいれて
父の眠るお墓に歩いていった。

お盆、お正月、お彼岸などお墓参りは何度もある。
でも命日にきたのは初めてだ。
お花と水を捧げて、静かに合掌したとき、
その手を大きな指がふわっと握りかえしてくれた……感じがした。
父さんだ! とすぐにわかった。
他界したあのとき、
手を握りかえしてほしかった父の手がそこにあった。

あの日、自分は間に合わなかった。
でもいつも傍らにいてくれてる感じは気づいていたし
視線を感じたり、声が聞こえたりしていた。

まだまだ未熟もんのgon麹。
もっともっといろんな話がしたかった。
もっといっぱい酒の話が聞きたかった。

間に合わなかったという負い目に
命日はどこか後ろめたかった。
そんなわだかまりを父の手は
新緑の風にポイッとのっけて、取り去ってくれた。

空に浮かぶ雲がどこか父の輪郭に似ている。
「もう大丈夫だよ」と父が笑っていってくれている
そんな気がした。





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# by gon1442 | 2012-05-08 23:03 | 本人:ひとりごと | Comments(2)
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酒呑み&放浪虫一匹が世界中の酒を飲むために東西南北奔走する。フリーライターという職業といいながら、その正体は……ただの呑み助&食いしん坊な一匹麹


by gon1442
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